WEC世界耐久選手権のLMP1クラスへのコスト削減策導入に向けた動きの第一歩として、2015年シーズンはテストの日数に制限が設けられることになりそうだ。
英AUTOSPORT.comによると、LMP1チームによるワーキンググループは来季に向けて、テストを“50日分”とする制限に同意し、さらなる動きも検討しているという。WECのスポーティングマネージャーを務めるビンセント・ボーメニルは、次のように語っている。
「最大“50日分”で合意した。例えば1日で2台のマシンをテストしたとすれば、それは“2日分”ということになる」
「我々は新たな技術とともに新時代の幕開けにおり、これは合理的に考えられた数字だと思っている。ただ、将来的には更に踏み込むことになるだろう」とボーメニル。ただ、16年シーズン以降のコスト削減策に関する詳細は語らなかった。
なお、来季からLMP1クラスに参戦するニッサンに関しては、60日分のテストが認められると見られている。
また、メーカーの単独テストに関しては一定数(30日分)のみ認められる形となる見込みで、この制限を回避するため、他メーカーや他チームとの合同テストが促されることになりそうだ。
こうしたコスト削減策について、LMP1クラスを戦うトヨタも支持を表明している。
「ACOとFIAのこの構想を歓迎しているよ。シリーズにはコスト増大の危険性があると感じているし、我々としてもコストの増大に対応できる余裕はないからね」と語ったのはTMGのテクニカルディレクターを務めるパスカル・バセロン。
「現在参戦しているマニュファクチャラーを維持し、健全なシリーズの持続を望むのなら、コストをコントロールする必要がある」
なおWECは、LMP2クラスにも15日分のテスト制限を設けると見られているが、LM-GTEに参戦するファクトリーチームにはテスト制限が設けられていない。
アストンマーチン・レーシング(AMR)のボス、ジョン・ガウによると、現在各マニュファクチャラーは大掛かりなテストプログラムを実施しておらず、テスト制限がコストに及ぼす影響は少ないだろうと語っている。
「バランス・オブ・パフォーマンスのもとでは、テスト制限が適応可能かどうかはわからない。BoPで開発がかなり制限されているからね」