WEC世界耐久選手権第8戦上海は28日、決勝レースが行われ、アレックス・ブルツ/ニコラス・ラピエール組トヨタTS030ハイブリッドが優勝。第7戦富士に続き連勝を飾った。WECの初代チャンピオンはアウディのアンドレ・ロッテラー/ブノワ・トレルイエ/マルセル・ファスラー組が獲得している。
WECでは決勝前には朝のウォームアップが実施されるが、上海インターナショナル・サーキット上空を覆った濃いスモッグにより、ドクターヘリが飛行できない状態となってしまったため、ウォームアップは中止に。日曜日の初めての走行が決勝という中でスタートが切られた。
ラピエールがステアリングを握った7号車トヨタは、前戦富士同様オープニングスティントからアウディ勢2台を突き放しにかかる。しかも、富士戦とは異なり、ピットストップのたびにタイヤ交換を実施。それでもアウディ勢に付け入る隙をみせず、スティントのたびにリードを広げると、終盤はラピエールとブルツが2スティントごとに交代し、今季WECの最終戦を制覇。富士戦に続き7号車トヨタが優勝を飾ることになった。
「素晴らしいレースだったね。100%完璧な週末で、金曜日からやって来たことがすべて正しく働いたよ。テレビを見ていた人には楽なレースに見えたかもしれないけど、ラピエールも僕も全力を出し切った。(中嶋)一貴にもここにいて欲しかったよ」とブルツ。
表彰台では、元トヨタF1チーム代表で、現在中国のトヨタ自動車研究開発センター社長を務める山科忠社長がブルツ、ラピエールとともに表彰台にのぼり、トヨタ・レーシングの勝利をともに祝っている。
2位に入ったのは、アラン・マクニッシュ/トム・クリステンセン組の2号車アウディR18 e-トロン・クワトロ。しかし、ロッテラー組1号車が3位に入り、ポイントで上回り新生世界耐久選手権初のチャンピオンを獲得した。
LMP1クラスのガソリンエンジン勢では、レベリオン・レーシングの12号車ローラ・トヨタがリタイアする一方で、13号車ローラ・トヨタが4位に入ることに。佐藤琢磨がドライブした15号車OAKペスカローロ・ホンダは、ブレーキトラブルを抱えて後退。総合14位でチェッカーを受けた。
LMP2クラスはADRデルタのオレカ03・ニッサンがスターワークスのHPD ARX-03bを抑え優勝。こちらも富士から連勝を飾ることに。LM-GTEプロクラスはステファン・ミュッケ/ダレン・ターナー組アストンマーチン・バンテージが優勝を飾った。