WEC世界耐久選手権第5戦オースティンは22日、サーキット・オブ・ジ・アメリカズで6時間の決勝レースが行われ、トム・クリステンセン/ロイック・デュバル/アラン・マクニッシ組2号車アウディR18 e-トロン・クワトロが優勝を飾った。

 33,000人というファンを集め開催されたWECオースティン。レースはスタートからフロントロウを占めた2台のアウディがリードを奪うが、6周目には3番手スタートの8号車トヨタTS030ハイブリッドが1号車をかわし2番手へ浮上する。

 序盤に3番手となった1号車は、その後LM-GTEプロクラスのポルシェと接触、リヤにダメージを負うなど少しずつ遅れをとることになり、レースは2号車アウディと8号車トヨタのマッチレースとなっていく。自力の速さで勝るアウディに対し、好燃費とタイヤをダブルスティントもたせる走りでルーティンを引っ張る作戦に出たトヨタ。2台はピットストップごとに順位を入れ替えたまま終盤戦に突入していく。

 2台の僅差の争いは6時間後のチェッカーまで続き、最終的に優勝した2号車アウディと、2位となった8号車トヨタの差は23秒。同一ラップの僅差の争いを制し、2号車アウディがシルバーストン、ル・マン24時間に続く今季3勝目を飾った。「トヨタは予選までに比べ、非常に強力なペースをみせてきた。素晴らしいバトルだったと思う」とアウディのテクニカルディレクターを務めるラルフ・ユットナーはレース後語った。なお、今回の2号車の勝利は、2000年にアウディR8が初勝利を飾って以来、アウディのLMPカーによる100勝目となっている。

 1号車アウディは、一時レベリオン・レーシングの12号車ローラB12/60・トヨタに先行されるものの、中盤77周目には3番手を奪回。表彰台を獲得した。しかし2号車のトリオに対しチャンピオンシップでのリードを許すことに。「次の日本ではもう一度アタックする」とレース後アンドレ・ロッテラーは語った。

 LMP2クラスは序盤から激しい接近戦が展開される中、ポールポジションからスタートしたG-ドライブ・レーシングのマイク・コンウェイ/ロマン・ルシノフ/ジョン・マーティン組26号車オレカ・ニッサンが優勝。1周差でペコム・レーシングの49号車オレカが2位、3位には32号車ロータスT128が入った。

 LM-GTEプロクラスは、クラスPPからリードしたブルーノ・セナ/フレデリック・マコウィッキ組99号車アストンマーチン・バンテージに対し、ジャンカルロ・フィジケラ/ジャンマリア・ブルーニ組AFコルセ51号車フェラーリ、小林可夢偉/トニ・バイランダー組71号車が同一周回でプレッシャーをかける展開に。

 しかし、99号車は最後までリードを守り優勝。セナは開幕戦シルバーストン以来、マコウィッキは嬉しい今季WEC初勝利を飾った。2位は51号車、3位は71号車となり、可夢偉は第2戦スパ以来の表彰台を獲得した。LM-GTEアマクラスはスチュワート・ホール/ジェイミー・キャンベル-ウォルター組96号車アストンマーチン・バンテージが優勝。アストンマーチン・レーシングはプロ、アマ両クラスで優勝を飾った。

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