WEC世界耐久選手権第7戦富士は決勝レーススタートから3時間が経過。7号車トヨタTS030ハイブリッドが序盤をリードするも、思うようなギャップを広げられず、1号車アウディR18 e-トロン・クワトロとの接近戦が展開されている。

 快晴の下迎えた、WEC世界耐久選手権第7戦富士の決勝レース。多くのファンが見守る中、1988年以来となるスポーツカー世界選手権のスタートが切られることとなった。

 迎えたスタートでは、7号車トヨタTS030ハイブリッドのアレックス・ブルツがトップを守るも、アンドレ・ロッテラー駆る1号車アウディR18 e-トロン・クワトロが1コーナーで並びかける。しかし、1号車はアウト側でややふくらみ、その間にアラン・マクニッシュ駆る2号車アウディが2番手を奪った。

 事前のレース展開としては、WEC第5戦ブラジルのように7号車トヨタが逃げ、それを1号車&2号車のアウディ勢がいかにギャップを縮めていくかという展開が予想された。7号車トヨタの方が1回ピット回数が多いため、7号車は終盤に向けて1分近くギャップを広げることが勝利に向けた条件だ。

 そんな中、スタートドライバーを務めるブルツはクリアなコース状況でスパートをみせ、2号車アウディに対して10周で5秒のギャップを築くことに成功する。しかし、ラップダウンが発生し始めると上位3台の差は少しずつ接近。そんな中、16周目のダンロップコーナーでは1号車アウディのロッテラーが2号車のインを差し2番手へ。1号車は2号車とのギャップを広げはじめ、少しずつ7号車トヨタvs1号車アウディの構図ができあがり始めた。

 首位を走っていた7号車トヨタは、5秒強のギャップを築き31周を終え最初のピットへ。ここでトヨタ・レーシングは給油のみを行いブルツを再びコースへ送り出す。一方のアウディ勢は34周を終え1号車、2号車が同時にピットイン。こちらは給油とタイヤ交換を行い、1スティントごとにタイヤ交換を行う戦略を採ってきた。

 トップの7号車トヨタは2スティントごとのタイヤ交換を選択してピットストップ時のタイムロスを最小限に留める作戦を採るが、フレッシュなタイヤを装着する1号車アウディがスティントの終わりに向け少しずつギャップを縮めていく展開となる。トヨタは62周を終えてピットに向かい、ブルツからニコラス・ラピエールにスイッチ。一方の1号車はロッテラーからブノワ・トレルイエにスイッチする。

 1号車に乗り込んだトレルイエは、走り慣れた富士で素晴らしいペースで7号車トヨタとのギャップを削りにかかる。75周目にはファステストをマークすると、78周目の最終コーナーではラピエールが最終コーナーで周回遅れの処理を誤りコースアウト。この間に1号車アウディが先行。ついにトップが入れ替わった。

 ラピエールはその後トレルイエとの差を一度は詰めるも、ふたたび最終コーナーで飛び出したが、再び7号車トヨタが給油のみ、1号車アウディが給油+タイヤ交換を行ったことから、再び7号車が先行してレース半分の3時間を迎えることに。トヨタの作戦から考えるとまだ充分なギャップが築けておらず、拮抗した戦いが展開されている。

 LMP1クラスのガソリンエンジン車同士の争いは、2台のローラ・トヨタ、2台のHPD ARX-03aによる接戦が展開されており、3時間を経過しJRMレーシングのHPD ARX-03aが総合4番手につけている。佐藤琢磨が2スティント目からを担当したOAKペスカローロ・ホンダは、中盤トラブルに見舞われガレージに入れられたが、再びコースに復帰している。

 LMP2クラスは序盤から接触やコースアウトもある激しい展開に。序盤はビタントニオ・リウッツィ駆る32号車ローラ・ロータスがリードを奪うも、タイヤが厳しくなってきたかペースダウン。その間にトップを奪ったのは、ADRデルタの25号車オレカ・ニッサン。チャンピオンシップを争う25号車は、ライバルの44号車HPD ARX-03bがスピンを繰り返す間に、2番目にステアリングを握った中野信治が快走。3時間を経過し、2番手の32号車ローラ・ロータスに25秒近い差をつけた。

 LM-GTEプロクラスは51号車フェラーリ458と77号車ポルシェの接戦が展開されており、3時間経過後も秒単位での争いが続いている。

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