WTCC世界ツーリングカー選手権ハンガロリンクは6日、決勝レース1/レース2が行われ、レース1はイバン・ミューラー(シボレー・クルーズ)が優勝。レース2では、地元ハンガリーの英雄ノルベルト・ミケリス(BMW320TC)が優勝。サーキットは大歓声に沸いた。

 昨年、ハンガリーの“スポーツマン・オブ・ザ・イヤー”に輝いたミケリスの効果もあり、5万2000人という大観衆が集まったハンガロリンクでのWTCC。迎えたレース1のスタートでは、予選トップ3を占めたシボレー勢を切り崩すべく、予選4番手スタートのガブリエル・タルキーニ(セアト・レオン)が大外から好スタート。1コーナーで2番手スタートのロバート・ハフ(シボレー・クルーズ)に並びかける。

 しかし、1コーナーでミューラーとタルキーニに挟まれる形になったハフは行き場所がなくなりタルキーニと接触。タルキーニのレオンはイン側がリフトする形になり、足回りを壊しリタイアを喫することに。さらに、スタートで出遅れたアラン・メニュ(シボレー・クルーズ)がミケリスに接触。ミケリスは姿勢を崩し、外側にいたダリル・オーヤン(セアト・レオン)と接触。この混乱でオーヤンやフランツ・エングストラー(BMW320TC)らがリタイアを喫した。

 シボレー勢を脅かす存在だったタルキーニがリタイアを喫したことで、ワークスのクルーズ3台はミューラーを先頭に、ハフ、メニュという盤石の体制に。そのまま表彰台を独占する形でチェッカーを受けた。一方で、スタートで大きく出遅れることとなったミケリスだが、大歓声を背に次々と前車をパス。6位でレース1を終えている。

 続くレース2。リバースグリッドの5番手からスタートしたミケリスは、後輪駆動のBMWの威力を発揮し一気にポールスタートのエングストラーに並びかける。1コーナーでエングストラーのインを突きトップを奪うと、そのまま一気にリードを広げにかかる。ハンガロリンクのグランドスタンドはスタンディングオベーションでトップのミケリスを迎えた。

 2番手にはペペ・オリオラ(セアト・レオン)、3番手にはメヘディ・ベナーニ(BMW320TC)が続く形となるが、後方からシボレー勢の一角、アラン・メニュが追い上げにかかる。しかし、ベナーニとオリオラをかわし2番手に浮上した時にはミケリスのリードを崩す時間がなく、ミケリスがトップでチェッカーを受けた。

 地元の英雄のキャリア2勝目に、ハンガロリンクの観衆は大歓声でミケリスを迎えることに。チェッカー後のクールダウンラップでは、コースオフィシャルさえも仕事を忘れたかのようにミケリスの偉業を讃えた。

「たぶん、僕の生涯の中でも最高の日だ」とレース後ミケリスは語った。「スタートではリードを奪えるなんて思っていなかったんだ。5番手スタートだったからね。でも、プレゼントだと思ってリードを広げることに集中した。だから残念ながらみんなの大歓声は聞こえなかったよ!」

「でも、ある瞬間にグランドスタンドを見てしまったんだ。だから自分に『レースに集中しろ』って言い聞かせた。こうしてハンガリーで、WTCCで優勝を飾ることができるなんて、今でも信じられない気分だよ……」

 レース2の2位はメニュ、3位はオリオラをかわしたベナーニが入った。今回スポット参戦しているジェームス・トンプソンのラーダ・グランタ・スポーツはレース1、2ともにリタイアを喫している。

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