2015/01/05
「Motion and Mobility」に捧げた100年:ZF、記念の年を迎える
・2015年、ZFは創立100周年を迎える
・航空技術専門の部品メーカーから、グローバルに展開する技術企業へと進化
・全世界の従業員が参加する記念アクティビティを展開
・明るい見通し:グループの強化により、モビリティの巨大潮流の一端を担う
ドイツ、フリードリヒスハーフェン発;ゼット・エフ・フリードリヒスハーフェン社(以下、ZF)は、2015年に重要な節目を迎えます。100年前の1915年、「ツァーンラートファブリーク有限会社(Zahnradfabrik GmbH、歯車工場の意)」として誕生して以来、ZFはさまざまな歴史の流れの中でビジネスチャンスをつかみ、ドライブラインおよびシャシ・テクノロジー分野の最先端企業へと成長しました。
「ツァーンラートファブリーク有限会社」が初めて商標登記簿に登場したのは1915年9月のことです。そして2015年、ZFグループは全世界の7万1,600名の従業員とともに創立100周年を迎えることになりました。全従業員が100周年を祝う記念行事に参加し、会社の将来に関する共通理解を深めます。ZFグループの将来は希望に満ちています。当社は現在、これまでで最大規模の買収事業に取り組んでいます。アメリカのTRWオートモーティブ社の買収によってZFグループは、世界の自動車部品メーカーのトップ3に名を連ねることになります。製品ポートフォリオが補完され、競争力や市場での存在感が高まり、これまで以上に世界のメガトレンドに対応する事が可能になります。
さまざまな歴史の流れの中でチャンスをつかむ
ZFの歩みを振り返ると、社会の様々な混乱や危機の中でも、ルーツである航空産業専門企業から世界的なモビリティ技術企業へと成長を遂げた、多くの出来事に満ちた歴史を見ることができます。100年前にドイツ、レイクコンスタンスに設立されたツァーンラートファブリークの起源は、当時そこに本社を置き、同社の持株会社であったツェッペリン飛行船有限会社です。
新たに設立された会社の任務は、「航空機、自動車、およびモーターボートのギアおよびトランスミッション」の開発、試験、および製造でした。わずか数年後にはその技術を自動車メーカーに提供するようになり、当時まだ若かったドイツの産業界にとって重要なトランスミッション・サプライヤーとなります。その後もノウハウの活用やライセンスの購入などで製品ラインナップを拡大していき、1930年代には農業トラクター用のドライブユニットのほか、乗用車や商用車用のステアリングシステムも手掛けるようになりました。しかし、第二次大戦の前や戦中においては、当時ドイツにあったZFの3工場すべてが兵器の生産で占められました。全工場に強制労働者が投入され、戦争の終盤にはその数が2,800人に達しました。
終戦後の1946年、ZFは農業トラクターや商用車用トランスミッションといった民生品の製造を再開しました。その革新的な技術力により、たとえば1965年には乗用車用多段トランスミッションを世界に先駆けて量産化するなど、新しい市場セグメントへの進出を果たしてきました。50年後、ZFはこの分野における技術的リーダーとしての地位を盤石なものとしました。これと平行して、1958年にはブラジルに生産工場を建設することで世界的な事業展開体制を強化しました。その後、1979年に米国、1993年には中国にも自社工場を建設し、生産を開始しています。
ZFは企業買収による事業拡大にも積極的で、たとえば1984年にはレムフォーダー・グループを獲得してシャシ・コンポーネントの世界市場に参入し、後には乗用車および商用車用シャシ・システム市場へ進出しました。さらに2001年には旧マンネスマン・ザックス社の買収を通じて乗用車や商用車用のドライブラインおよびシャシ構成部品事業の展開も開始し、これにより生産の垂直統合が強化され、市場にさらなるイノベーションをもたらしました。そして今、自動制振システムであるCDC(連続可変減衰力コントロール)技術やハイブリッド技術など、イノベーションと「ZF」という名前は密接にリンクしています。
ZFの現在の製品ラインナップには、トランスミッション、ドライブライン構成部品、およびシャシ構成部品といったドライブラインおよびシャシ・テクノロジー製品のほか、車軸システムやモジュール全般が含まれます。ZFの技術は乗用車、商用車、建設および農業用機械、鉄道車両、および船舶に利用されています。同社はさらに、風力発電や電子部品にも力を入れています。
100周年記念行事
ZFのCEO、シュテファン・ゾンマー博士は、「ZFの歴史は、ビジネスの機会を充分に生かす事が大きな成功につながるということ事を示してくれています。開発部門から生産部門まで、さらには昔からZFを構成していた部門から後にZFに加わった部門まですべて、当社の従業員は、こうしたZFの歴史と今日の姿を誇りに感じてほしいと思います。」と述べています。
世界のZF全体でこの記念の年を祝うという主旨から、従業員が100周年に関する意見を投稿したり交換したりできる記念ポータル・ウェブサイトを開設しました。また世界の主な拠点では、従業員とその家族を「ファミリー・デー」と題した見学ツアーに招待し、ZFの歴史に触れてもらう予定です。
また7月4日には、フリードリヒスハーフェンのツェッペリン格納庫前において記念フェスティバルを開催します。従業員はすべて無料で入場でき、ドイツのヒップホップバンドDie Fantastischen VierやRea Garvey(ロックバンドReamonnの元ボーカル)のパフォーマンスを楽しむことができます。100年前に会社がテトナン地区裁判所に商号を登記した9月9日には、フリードリヒスハーフェンで式典が催されます。また、会社の歴史に関する展示を行う施設がフリードリヒスハーフェンのZF本社新社屋に設けられることも決定しました。ここでは、常設展示のほかにテーマを変えた特別展示も定期的に行われる予定です。この施設は、関係者のみならず市民の方々などにも開放されることになっています。
会社にさらなる発展をもたらす幅広い専門知識
ZFグループは、革新を重んじる文化を持ち、それを裏付ける技術力にも特筆すべきものがあります。現在の製品ラインナップは、燃費効率の向上からCO2排出量の削減、軽量化、電動化とネットワーキング、そして自動運転まで、将来のメガトレンドに確実に対応できます。こうした革新的技術、製品によって、ZFグループは4大陸に122か所もの生産拠点を有するなど、世界的な事業展開を行うまでに成長しました。
乗用車用プラグインハイブリッドトランスミッションの量産技術などで、ZFはすでに、さまざまな新しいトレンドに対応しています。その他にも、2014年の国際モーターショーでは、「イノベーショントラック」など、過去数年にわたる研究の成果や試作品を披露しました。「イノベーショントラック」とは、ZFのネットワーク操作支援技術により、運転席の外からタブレット端末で遠隔操作できる大型トレーラーです。
ZFは米国の自動車部品メーカーTRWオートモーティブ社を買収する予定で、すでにTRW株主の大多数から承認を得ています。この記念の年に、TRWがZF傘下として統合されることにより、売上高300億ユーロ(410億米ドル)以上、従業員数約13万8,000名を誇る世界第3位の自動車部品メーカーが誕生します。TRWが加わることで、ZFグループはドライブラインおよびシャシ・テクノロジー、安全、および電子システムの分野で包括的かつ補完的な製品ラインナップを提供できるようになります。同時に、質・量ともに地域間でバランスの取れた、顧客のニーズを満たした製品群を擁することで、西欧、米国、およびアジア太平洋といった重要な自動車市場において強力な存在感を確保できます。
ゼット・エフ・フリードリヒスハーフェンについて
ゼット・エフ社はドライブラインおよびシャシ・テクノロジーの分野で世界をリードする自動車関連部品のグローバル・サプライヤーで、世界26カ国に122の生産拠点を展開しています。2014年のグループ総売上は180億ユーロ超を見込んでいます。総従業員数は約7万2000人でした。新たな価値を生み出す革新的な製品を提供し続けるため、ゼット・エフ社では毎年、総売上の約5%を研究開発に投資しています(2014年度:約8億9000万ユーロ)。また、ゼット・エフ社は、世界の自動車サプライヤーのトップ10位に位置しています。