カルソニックIMPUL GT-R、スプリント2レースで8位、3位
NDDP RACING、JAF Grand Prix GT300クラス2位

JAF Grand Prix FUJI SPRINT CUP レースレポート
11月24日 富士スピードウェイ(静岡県駿東郡)

 11月23日(土)・24日(日)に富士スピードウェイ(静岡県小山町)にて、JAF Grand Prix 「FUJI SPRINT CUP 2013」が開催され、TEAM IMPULの#12 カルソニックIMPUL GT-R(松田次生/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が第一レースで8位、第二レースで3位に入賞。また、GT300クラスの#3 S Road NDDP GT-R(星野一樹/佐々木大樹)は、第一レースで優勝、第二レースで7位に入賞し、JAFグランプリGT300部門の総合2位となりました。

【第一レース】
 今年のFUJI SPRINT CUPは、GT500/GT300クラスともに土曜日に2名のドライバーそれぞれの予選を行い、土曜日に第一レースを日曜日に第二レースを行う変則的スケジュールとなっています。各22周のレースは、通常のローリングスタートではなく、グリッドからそのままスタートするスタンディングスタート方式を採用しています。

 GT500の第一レースは、予選9位から好スタートを決めた#12 カルソニックIMPUL GT-Rの松田次生は、オープニングラップを終えて5位でストレートに戻って来ました。その後、6位となったものの安定したペースで周回を重ね、後半のチャンスを待ちました。しかし、21周目のストレートエンドで#23 GT-Rと接触。フロントノーズにダメージを受けます。松田はそのまま周回を続けましたが、最終ラップに#23 GT-Rに先行を許し、8位でレースを終えました。

 予選6位からスタートしたロニー・クインタレッリの#23 MOTUL AUTECH GT-Rは、序盤は8位を走行し、終盤に順位を上げたのちに#12 GT-Rと接触。その後、同車をかわしてGT-R勢最上位の7位でフィニッシュしました。#24 D’station ADVAN GT-Rは安田裕信が予選10位からスタートし、10位完走。予選11位の#1 REITO MOLA GT-Rの関口雄飛は12位を走行していた12周目にマシントラブルのためにペースダウン。13周目にピットインし、そのままガレージインしレースを終了しました。

 一方、GT300第一レースでは、ポールポジションを獲得した#3 S Road NDDP GT-Rの佐々木大樹がスタートに失敗。予選3位の#35 NISMO ATHLETE GT-R GT3を駆るアレックス・バンコムがロケットスタートを決めてトップに立ち、そのまま他を引き離していきます。富士スピードウェイで初めてレースに出場するバンコムが予選で3位となったことも驚きでしたが、彼のアグレッシブな走りにファンの視線は釘付けになりました。2位との差を広げながら周回し、バンコムはそのまま逃げ切ると思われました。

 しかし、17周目に左リアタイヤがパンク。そのショックでフェンダーなどにダメージを負い、ピットインして走行を中断しました。3位まで順位を回復していた#3 GT-Rの佐々木は、16周目に#11メルセデスSLSをパスして2位に上がった直後に首位を立つと、その後タイヤをマネジメントしながらポジションを守る走りに専念。22周目にトップでチェッカーフラッグを受け、自身念願の初優勝を手にしました。

【第二レース】
 3万9,000名の観客が富士スピードウェイを訪れた24日(日)、SUPER GTレースは快晴のもとで第二レースを行いました。GT500は、第一レース同様#12 カルソニックIMPUL GT-Rのジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが絶妙なスタートを決めて、予選7位から一気に4台をパスし3位にジャンプアップ。トップ2台に続いて力強い走りを見せました。その後、終盤には後続車が追い上げますが、オリベイラは一度もポジションを譲ることなく22周目のフィニッシュラインを越え、表彰台に上りました。T

 EAM IMPULの星野一義監督は、「JP(オリベイラ)が凄いスタートを見せてくれたのが今日のすべてです。本当に優勝に値するほどの素晴らしいパフォーマンスでしたね。来年はマシンもエンジンも一新され、すべてが新しくなります。来年こそは日産とNISSAN GT-Rの年にしたいです。皆さん、応援をよろしくお願いします」と語っていました。

 予選4位だった#23 MOTUL AUTECH GT-Rの柳田真孝は、スタートで2つポジションを落とし、その後徐々に後退していきます。柳田は、「スタートでホイールスピンさせてしまい、後続に抜かれてしまいました。前半はなかなかペースがあがらなかったので、後半に挽回しようと考えていたのですが、後半も状況は変わらず苦しいレースになってしまいました」とコメントしました。

 その状況は#1 REITO MOLA GT-Rも同じで、10番グリッドからレースをスタートした本山哲は序盤に8位を走行しながら次第に後退し、17周目にはピットインしてタイヤを交換。15位でレースを終えています。ヨコハマタイヤを装着している#24 D’station ADVAN GT-Rのミハエル・クルムは、12 位からスタートして安定したペースを築き、10位で完走を果たしました。

 GT300クラスでは、ポールポジションの#3 S Road NDDP GT-Rは星野一樹がジャンプスタートのミスをおかし、ドライブスルーペナルティを受けます。最後尾から追い上げることになった星野は、気迫のこもった走りで周回ごとに順位をあげ、7位に入賞。星野の後退で2位となった#35 NISMO ATHLETE GT-R GT3のルーカス・オルドネスは、タイヤをいたわりながら首位のマクラーレンMP4-12Cに続き、逆転のチャンスを待ちます。しかし、14周目にリアに異常を感じてピットイン。タイヤを交換してレースに戻り、18位でレースを終えました。

日産系チーム総監督 柿元邦彦
「まず3号車は、昨日は佐々木大樹が初優勝する活躍を見せていたのに、今日は絶好の位置にいながらミスで勝利を逃すという、今シーズンを象徴するような内容でした。クルマは速いのに勝てないのは、しっかり反省する必要がありますね。一方ホイールナットのトラブルによって結果は残りませんでしたが、初出場のオルドネスが見せたパフォーマンスは特筆ものだと思います。タイヤをセーブしながら走るなど冷静さももっており、多くのベテランドライバーにも刺激になったと思います。GT500のミシュラン勢は、昨日のタイヤで良いパフォーマンスが発揮できなかったので、大きなリスクを持って別のタイヤをチョイスしましたが、それがむしろ逆効果だったようです。ブリヂストンユーザーのカルソニックIMPUL GT-Rが良いスタートを決めて3位となってくれたのが唯一の救いでした。ファンの皆様には、辛いシーズンとなってしまい、本当に申し訳ない気持ちです。来年は新しいマシンで戦いますので、引き続き暖かく見守っていただきますようお願いいたします。今年も一年間どうもありがとうございました」

#12ドライバー、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
「(同日行われた)スーパーフォーミュラレースで状況がわかっていたので、スタートに全神経を集中しました。だから、GT500レースでは良いスタートを決めて3位まで上がることができました。ひとつもミスはなく、タイヤをコントロールしながらペースを守ることに気を使いました。今年最後のレースで表彰台に乗れたことは良かったと思います」

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