今季からWEC世界耐久選手権のLMP1クラスに参戦するポルシェが、参戦車両となる919ハイブリッドのエンジンは2リッターV4直噴ターボエンジンであることを明かし、ハイブリッドシステムの詳細も明らかにしたと英AUTOSPORT.comが伝えている。

 昨年限りでF1から引退したマーク・ウエーバーらをドライバーに据え、今季から導入される新たなLMP1車両規則に準拠した919ハイブリッドの2台体制でLMP1クラスへと参戦するポルシェ。ここまで、919ハイブリッドという名称やマシンの外観などは明らかにされていたものの、パワーユニットに関しては4気筒エンジンにふたつのエネルギー回生システム(ERS)が搭載されるということ程度しか明かされてこなかった。

 LMP1テクニカルディレクターを務めるアレックス・ヒッチンガーは、軽量化とパッケージングという観点からV型エンジンを採用したのだと語っている。

「このようなクルマでは、エンジンを構造の一部にしてしまいたくなるんだ」とヒッチンガー。
「直列4気筒を採用する場合、(エンジンの)周囲にスペースフレームを組まなくてはならないだろう。それでは明らかに重量がかさむし、複雑になってしまう」

 またポルシェは、エネルギー貯蔵システムとしてリチウムイオンバッテリーを搭載することを認めている。ヒッチンガーによると、貯蔵することのできるエネルギーの量と、貯蔵し放出することのできる割合の、それぞれのエネルギー密度と出力密度の最適な妥協点から導きだされたものなのだという。

「与えられた条件の中では、これが最も軽くなるんだ」とヒッチンガーは語っている。また、1周あたりに放出できるエネルギーに関しては、4段階のうちで最大となる8MJを選択することを計画しているのだという。

 なおポルシェは、ふたつのERSを搭載すると発表していることから運動エネルギー回生に加えて熱エネルギー回生も行うものと見られているが、彼らの開発している熱エネルギー回生システムは、アウディR18 e-トロン・クワトロや今季のF1で導入されるものとは異なるものになるようだ。排気システムの中で、ターボチャージャーとは別個となったタービンでモーター・ジェネレーター・ユニットを回すのだという。

 また、919ハイブリッドは先週、バーレーンでテストを行ったということだ。

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