第78回ル・マン24時間耐久レースで、今季から本格的にヨーロッパで戦い始めたホンダ・パフォーマンス・デベロップメント(HPD)製のプロトタイプカー、HPD ARX-01cがストラッカ・レーシングの手によりLMP2クラスで優勝。初挑戦で望外の結果を得た。
アメリカン・ホンダの子会社で、IZODインディカー・シリーズへのエンジン供給も行うHPDは、ル・マン24時間にヨーロッパのル・マン・シリーズで戦うストラッカ・レーシングとアメリカン・ル・マン・シリーズの09年王者、ハイクロフト・レーシングからARX-01cを1台ずつ投入。ローラにHPDエンジンを組み合わせるRMLとともにル・マン24時間に臨んだ。
予選では、ストラッカの42号車がクラスポールを獲得、2番手に26号車ハイクロフトが続き、ARX-01cは上位を独占。さらに、レースではストラッカが盤石のレース運びでトラブルが相次いだLMP1勢に続き総合でも5位、そしてLMP2クラス優勝という結果を成し遂げた。
一方、HPDエンジンを搭載するRMLのローラ・HPDは3位フィニッシュ。13時間目までストラッカに追走したハイクロフトはウォータープレッシャーにトラブルが起き後退。クラス9位でフィニッシュした。
とは言え、ARX-01cの衝撃的なル・マンデビューに、HPDの代表であるエリック・バークマンも驚きを隠さない。「このクラシックイベントにおいて、我々のファーストチャレンジは驚くべき結果となった」とバークマン。
「我々はスタートからフィニッシュまで、ストラッカの完璧なパフォーマンスを見届けた。それに、ダンカン・デイトン率いるハイクロフト・レーシングの力強い走りは実に感動的だった。我々のル・マン24時間の最初の挑戦でクラス勝利という結果を得たことは、誇りに思って良いと思う。RMLも素晴らしい活躍で、表彰台を得ることができた」
ストラッカ・レーシングのARX-01cをドライブしたジョニー・ケインは、ARX-01cのパフォーマンスを賞賛。「今回が自分にとって7度目のル・マンだけど、今回が間違いなくベストレースだね」とケイン。
「ストラッカとHPDは驚くべき努力により、完璧なシャシー、エンジンをまとめたと思う。長いレースでひとつも問題は出なかったよ」