全日本F3選手権は19日、鈴鹿サーキットで第2戦の決勝レースが行われ、ポールポジションスタートのニック・キャシディ(PETRONAS TOM'S F314)が全日本F3初優勝。F3-Nは小河諒(KeePer TOM'S F306)が前日の雪辱を果たし、初優勝を飾った。
前日の決勝レース1では、レース終盤にトップ争いをしていたトムスの2台が接触。トップでチェッカーを受けたキャシディがレース後にタイムペナルティを受け降格。代わって3番手からスタートした高星明誠(B-MAX NDDP F3)が繰り上げで優勝となった全日本F3。迎えた開幕ラウンドのレース2ではキャシディがPP、山下健太(PETRONAS TOM'S F312)が2番手で17周の決勝レースに臨んだ。
終日ドライコンディションで争われた前日から変わって、日曜日は朝から雨が降る鈴鹿サーキットだったが、F3の決勝がスタートする頃には、路面もウエットからドライへと変わり、各車スリックタイヤを装着して決勝がスタートした。
スタートではポールポジションのキャシディがスタートを決めるも、3番手スタートの高星が好スタートを決め、2番手スタートの山下をかわしポジションアップに成功。キャシディのインには届かなかったが、ピタリと後方につけた。
トップを走るキャシディはオープニングラップからリードを広げ、2番手の高星は3周目にファステストをマークしトップを追うが、キャシディとのバトルに発展するまでに至らず。一方、9周目には4番手争いが接近し、ルーカス・オルドネス(B-MAX NDDP F3)と高橋翼(HFDP RACING F312)がテール・トゥ・ノーズの争いに。シケイン手前で高橋がインからオルドネスをかわして4番手に浮上。6番手争いの石川京侍(TODA FIGHTEX)と福住仁嶺(HFDP RACING F312)が接近戦を展開するなど、見応えのあるバトルが展開された。
一方、キャシディは前日同様、終盤に後方とのギャップが縮まりはじめる。残り3周あたりで高星、そして3番手の山下健太(PETRONAS TOM'S F312)がギャップを詰め始めるが、キャシディは再び高星との間隔を広げ、一度もトップを譲ることなくチェッカーを受け全日本F3初優勝。2位には高星、3位は僅差で山下という結果になった。
レース終了後に行われた表彰式では、前日接触したPETRONAS TOM'Sのふたりは握手をかわすシーンも見られた。
F3-Nは、ポールポジションスタートの三浦愛(EXEDY RACING F307)が前日に続き好スタート。2番手スタートの小河諒(KeePer TOM'S F306)を従えるが、7周目の最終コーナーでサイド・バイ・サイドに持ち込むと、続くストレートでは小河が三浦のスリップに入りオーバーテイク。トップに立った小河はそのまま三浦との差を広げた。
父である小河等さんが亡くなった地で、しっかりと最後までマシンを運んだ小河は嬉しいF3-N初優勝。2位は三浦、3位はDRAGON(B-MAX Racing F308)という表彰台となった。