昨年までスクーデリア・フェラーリで、ビークル&タイヤインタラクション・デベロップメントとして活躍した浜島裕英。その浜島さんのコラムがF1速報サイトで連載中です。題して、「浜島裕英のグランプリ人事査定」。今回、F1速報サイトでしか読めない第8回コラムの一部をお届けします。
第八回査定:痛恨のスピン
カナダGP。速度が高い上、コンクリートの壁が迫るこのレースでは、クラッシュによるリタイアがつきものだったが、今年は珍しくそういった事故がなかった。
さて、モナコGPでのあまりにも惨い敗戦から、メルセデスAMGのルイス・ハミルトンがどのように立ち直るのかが注目されたが、カナダGPでも彼には追い打ちをかけるようにトラブルや不運がFP3まで降りかかった。
しかし予選では、しっかりとポールポジションを奪い、レースでもスタートから集中して、1周目終了時点で2番手の僚友ニコ・ロズベルグに対して1.030秒、2周目1.313秒、3周目1.716秒の差をつけ、ギャップ1.0秒以内でのDRS使用を封じた。ここカナダでは、ヘアピン後のストレート、そしてメインストレートでのDRS使用は非常に効果的なので、ハミルトンが序盤にロズベルグに対して差を築いたのは、レース戦略上きわめて有効であったと言える。
しかも、第1スティント24周終了時点でロズベルグに対して4.484秒まで開いた差を、第2スティントでは概ね1.2秒程度にコントロールしていた。ハミルトンは燃料やブレーキに非常にきついこのサーキットで、クルマを非常に労わっていたと思われる。最も接近された52周目でも、1.022秒差であったのは見事としか言いようがない。
ロズベルグはレース後のコメントで、「作戦がハミルトンに筒抜けで、奇襲することができなかった」などと言っていたが、ハミルトンがミラーで後方を入念にチェックしていたのに気付かなかったのだろうか? 彼にはとにかく、スペインGPの時のように、クルマを速く走らせることに集中してもらいたいものだ。
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