7日に行われたIZODインディカー・シリーズ第11戦ポコノ。上位を争っていた佐藤琢磨(AJフォイト)は、2回目のピットストップ時に前を行くライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)とクラッシュを喫しリタイアとなった。マシンを修復し、レースに復帰したハンター-レイは、10ポイントを獲得したが、連覇を目指す王者は琢磨のミスにいら立ちを隠せないようだ。
予選でフロントローを独占したアンドレッティ・オートスポート。2番手を獲得したライアン・ハンター-レイは、優勝できるマシンを手に入れたと自信を見せていた。序盤はチームメイトのマルコ・アンドレッティがリード。ハンター-レイも上位を快走し、62周目に2回目のピットストップへと向かった。
ピットレーンに入り減速をしたハンター-レイに、ここで予期せぬアクシデントが起こる。後ろからピットレーンに入ってきた琢磨がタイヤをロックし、減速できずにハンター-レイのマシンに追突。ハンター-レイのマシンはダメージを負い、琢磨も左リアに大きなダメージを負った。
「僕たちは、勝利に挑戦できる素晴らしいクルマを持っていたんだ。他人の事は言いたくないが、ピットレーンに入る時に、後ろから敗北させられた」と自身のオフィシャルホームページで語ったハンター-レイ。
「トップ2、3を走行していて、とてもいいクルマだったのに、誰かが来てその場から追い出されたら、とてもいら立つよ」とコメント。
ガレージでマシンを修復し、少しでも多くのポイントを獲得しようとレースに復帰したハンター-レイは、20位でレースを終え10ポイントを獲得している。
7番手からスタートし、セカンドスティントでは上位を脅かす速さを見せていた琢磨。このアクシデントによってダメージを負ったマシンを修復しようと試みたが、レースへの復帰は難しいと判断しリタイアとなった。
1回目のピットストップで減速し過ぎてしまった琢磨は、2回目のピットストップでは、順位を上げようと少しプッシュしていたとコメント。レース中継でも完全に自分のミスだったと語っている。
「スタート直後からバトルを制してポジションを稼ぎ、リスタートでもさらに順位を上げて、いいポジションで戦うことができていました。あの時点で先頭に出るのは厳しかったかもしれませんが、トップはみえていましたし、同じペースを保つことも可能でした」
「1回目のピットストップのときにコースがグリーンで、あのときはピットロードへ入るところで減速し過ぎたほどでした。そこで、2回目はピット入口までもう少しプッシュしました。前を走っていたマシンをピットストップで抜いて順位を上げようと考えていましたが、ターン3からピット入口へのアプローチがオーバースピードになり、リアタイヤがロックしてマシンが横を向いてしまいました。あれは僕のミス。勝てる可能性があったレースだけに本当に残念です」と琢磨。
インディ500を迎えるまではランキングトップだった琢磨は、アイオワ、ポコノと2戦連続リタイアとなり、ランキングは10位まで落ちている。