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 すでに3年連続のマニュファクチャラーズタイトル獲得を決めているTGR-WRT。このチャンピオンチームのメカニックとエンジニアたちによって修理されたクルマで最終日に再出走したエバンスは、最終戦ラリージャパンにタイトル獲得の望みを繋ぐべく、最終のパワーステージに集中。渾身の走りでベストタイムを記録し、ボーナスの5ポイントを獲得してみせた。

 しかし、ロバンペラが総合2位となり18ポイントを加算したことによってタイトル獲得の可能性は消滅。とはいえ彼の戦いはまだ終わりではない。自身3度目となる選手権2位を得るべく、最終戦のラリージャパンでもプッシュを続けていかなければならない。ランキング3位につけるヌービルとのギャップは7ポイントだ。

 デイ2のSS3でホイールにダメージを受けたあと一時は総合10番手まで順位を下げ、そこから総合4番手まで挽回してきたオジエは、最終日も攻めの走りを継続。2本のベストタイムと、1本のセカンドベストタイムで、総合3番手につけるオット・タナク(フォード・プーマ・ラリー1)にプレッシャーをかけていくが、表彰台にはあと一歩及ばず。

 また、勝田はSS16で3番手タイム、SS17では今大会ベストとなる2番手タイムを記録するなど前日の午後のループに引き続き好ペースを維持し、総合5位でフィニッシュした。母国イベントである次戦ラリージャパンに向け、いい流れを掴んでWRC初開催の難関ラリーを締めくくっている。

 TGR-WRTのボスであるヤリ-マティ・ラトバラは、2021年に当時自身が持っていたWRC史上最年少優勝記録を塗り替えた若きチャンピオンの連覇を喜ぶひとりだ。

「カッレ(・ロバンペラ)とヨンネ(・ハルットゥネン)を心から誇りに思うし、彼らは二度目のタイトル獲得に本当に相応しいと思う」とフィンランド人のペアを称えたラトバラ。

「シーズン中、カッレは驚くほど安定していた。今回のタイトルは、昨年以上に勝ち取ることが難しかったと思うし、エルフィン(・エバンス)は良い仕事をしてプレッシャーをかけ続けたが、最終的にカッレは自分の仕事をやり遂げた。彼のアプローチはユハ・カンクネンと似ていて、すべてのラリーで優勝を狙うのではなく、必要なポイントを計算し考えて戦っている」

「エルフィンもまた、非常にいいシーズンを送ってきた。彼はこのラリーでカッレを上回り、チャンスを維持する必要があった。残念ながらうまくいかなかったが、あの状況でできることはすべてやったと思う」

「これで3つのタイトルをすべて獲得することができたので、ラリージャパンでは選手権のプレッシャーを感じることなく、ドライバーたちには勝利を目指してプッシュしてもらいたいと思っている」

総合5位となった勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第12戦セントラル・ヨーロピアン・ラリー
総合5位となった勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第12戦セントラル・ヨーロピアン・ラリー
総合4位でフィニッシュしたセバスチャン・オジエ(右)とヴァンサン・ランデ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第12戦セントラル・ヨーロピアン・ラリー
総合4位でフィニッシュしたセバスチャン・オジエ(右)とヴァンサン・ランデ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第12戦セントラル・ヨーロピアン・ラリー
初戴冠となった2022年シーズンに続き、ドライバー/コドライバー選手権タイトルを獲得したカッレ・ロバンペラ(右)とヨンネ・ハルットゥネン 2023年WRC第12戦セントラル・ヨーロピアン・ラリー
初戴冠となった2022年シーズンに続き、ドライバー/コドライバー選手権タイトルを獲得したカッレ・ロバンペラ(右)とヨンネ・ハルットゥネン 2023年WRC第12戦セントラル・ヨーロピアン・ラリー

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