勝田はとくにラリーの前半で苦しんだが、セットアップの変更も奏功しステージが進むごとにペースを改善していった。最終的には良いフィーリングを掴むことができたと述べている。
「とても難しくて厳しいラリーでしたが、自分にとっては本当に良い経験になりました。天気もグリップの変化も激しく、土曜日の午前中は苦戦しましたが、チームのエンジニアたちがより良いセットアップを見つけてくれたので、その後は自信を持つことができました。最終的には、クルマのフィーリングはとても良くなりました」と初開催イベントを振り返った勝田。
「もちろん、まだ改善できる部分もありますし、限界ギリギリの走りを楽しむことができたならば、さらにプッシュできたはずです。それでも、非常に厳しかったこの週末を総合5位でフィニッシュできたのは良かったです」
また勝田は、第5戦ポルトガルから7ラウンド続いたグラベル(未舗装路)ラリーのあと、ターマックイベントであるCERを走りきれたことが、最後に控える母国イベント『ラリージャパン』に向けて重要だったと述べた。
「ターマックのラリーを良いフィーリングで走りきれたのは、ラリージャパンに向けてさらなる自信と余裕を持つためにも重要なことです。ラリージャパンにはヨーロッパとはまた違った難しい路面がありますが、もちろんプッシュして自分にとってのホームラリーで良い結果を残したいと思います」
TGR WRCチャレンジプログラムのインストラクターを務めるユホ・ハンニネンは、今回の勝田の走りを次のように評価した。
「貴元は今週末、本当にいい仕事をしたと思う。今回のラリーのステージは完全に新しいものだったし、グリップレベルもさまざまで、すべてのドライバーにとって非常に難しいコンディションだった。とくに金曜日は、多くの泥が路面に掻き出され、水溜まりも多くあったが、貴元はそのような厳しいコンディションをうまく乗り切った」とハンニネン。
日本のファンの多くは勝田の表彰台獲得を期待しているが、ハンニネンもまた勝田に期待を寄せるひとりだ。
「土曜日の午後には、彼の自信とクルマに対するフィーリングが大きく向上し、それ以降は何本かのステージで好タイムを記録した。そして、そのことは次のラリージャパンに向けて非常にポジティブなことだ」
「昨年のラリージャパンでは表彰台に上ることができたが、今回も同じような結果が出ることを期待している」
WRC最終戦『フォーラムエイト・ラリージャパン2023』は、11月16日(木)から19日(日)にかけて愛知県と岐阜県で開催される予定だ。
