その一方で「乗れていない」「プッシュするにもできない状況」だった土曜日の午前中や、金曜日など苦しんだウエットコンディションでの走りについては、気持ちの部分や、セットアップの選択などマシンセッティングの部分を含めて「今回一番の反省点というか課題だったと思います」と振り返っている。
そんな勝田が、今大会での収穫にひとつに挙げたのが3日目の最後ステージ、日没後に行われたSS14での走りだ。チームメイトのひとりで今大会2位となりシリーズ2連覇を決めたカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)と、CER初代ウイナーとなったティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)に次ぐ3番手タイムを記録した同ステージの走行は、勝田に自信を与えるものとなった。
「土曜日の最後のステージは11kmの短いステージだったのですが、ナイトステージでかつものすごくインカットが多いセクションがあり、どのドライバーも言っていましたけどラリー・モンテカルロのような本当に難しいコンディションでした」とSS14について語った勝田。
「そこを(雨用とドライ用タイヤを組み合わせて履く)クロスタイヤで行かなければいけなかったのですが、レインタイヤを多く持っていたカッレ(・ロバンペラ)とティエリー(・ヌービル)以外のドライバーたちの中では一番早いタイムで抜けられたのは、すごく自信になりました」
「自分の中では、そこでのパフォーマンスが今後、そういった難しいコンディションでのタイムを求めていく際のポイントになるという部分で非常に良い経験にもなりましたし、自信につながるステージだったと思っています」
これらの経験を実戦に活かす今年最後のラウンドは次戦、母国ラリーとなる『フォーラムエイト・ラリージャパン2023』だ。
2022年は総合3位表彰台を獲得した“ホームラリー”に向けた意気込みを尋ねられた勝田は、土曜日にペースダウンして上位から離されてしまった前年大会の反省も踏まえ、「今年はとにかく結果を求めて、最初から全開でプッシュしていきたい」と考えていることを明かすとともに「表彰台はもちろん、簡単ではないですけど優勝争いに絡んでいけるようにしたい」と抱負を述べた。
2023年も愛知県と岐阜県で行われるWRC最終戦ラリージャパンは、11月16日(木)から19日(日)にかけて豊田市の豊田スタジアムを中心に開催される。
