この混沌を利用したマッコーネルがパストラーナに次ぐ2番手に浮上し、その背後にバッケルドの順でチェッカーが振られたが、スチュワードは首位パストラーナ、3位バッケルドの双方に『危険な接触行為』による順位降格ペナルティを課し、それぞれ2ポジションダウンの結果に。
これで敗者復活の予選ヒートまで、車両トラブルでわずか3周しか走行できないでいたマッコーネルが開幕以来の勝利を手にし、一方で最終ラップのマルチアクシデントにより、エリクソンの連続表彰台記録は途絶えることとなった。
そのエリクソンは、セミファイナル2でもバッケルドに接触されてパストラーナに勝利を譲っていただけに、決勝後は周囲のドライバーたちの技量を疑問視する言葉を並べた。
「たとえパンクがあってもロビン(ラーソン)はリードしていて、彼がペースを決定づけている」と、ここまで全ラウンドでトップ3に入り、ポイントリーダーを守っていたエリクソン。
「僕から見れば、トラビス(パストラーナ)は熱くなり過ぎてオーバーシュートした愚か者で、どこをどう考えてもペナルティだ。そしてバッケルドがやったことは、ペナルティよりも100倍悪い」と怒り心頭のエリクソン。
「バッケルドのブレーキがどれだけ遅れているかは一目瞭然だろう? 彼のやっていることはコーナーの管理と言うには程遠い。ああ、程遠いね。彼がヨーロッパのトップドライバーやここのドライバーたちから尊敬されていないのには理由があるんだ、確実にね」
一方のバッケルドは、接触が前輪だったがために「ステアリングが僕の手から弾かれ、結局ふたりともアウト側まで登ってしまった」と弁明した。
「申し訳ないが、僕は他のみんなと同じように勝ちたいだけだ。そして彼らはとても優れているから、それには多くの時間が掛かる。こういう場合、電動パワーステアリングでは何もできない。ホイール・トゥ・ホイールで衝撃が入ると、カチッと音がする。そこから舵角を保持することはできなかったんだ」
明けた第5戦はポール発進のパストラーナを打ちやり、前日のパンクと接触で勝機を逸していたラーソンが完勝。残り2周でジョーカーを切った前日勝者のマッコーネルが2位に続き、ポディウム最後のスポットには、ファイナルラップのジョーカーで表彰台争いに躍り出たエリクソンが“怒りのドライビング”で3位を奪い、これで5戦中4度目の登壇を果たしている。

