更新日: 2023.12.05 17:46
アクシオナ・サインツは無念の転倒決着。RXRのヨハン&ミカエラ組が逆転王者に/エクストリームE最終戦
一方、スイッチゾーンでは3番手で戻ったX44ヴィダ・カーボン・レーシングのマッコーネルに、背後から迫ったNEOMマクラーレンのファウストが速度を殺し切れずに追突。タイムペナルティを受けた後者はマシン損傷が激しくここでリタイアとなり、グティエレスにスイッチしたX44も大幅なペースダウンを迫られる。
そしてRXRのクルマを引き継いだコチュリンスキーも、右側トラックロッドの破損と格闘しなければならず、手負いの状態でマシンをフィニッシュラインへ運ぶことだけに集中する状況に追い込まれる。
しかし刻を同じくして、首位攻防を繰り広げていたASXEの2番手サンズは、ウェイポイント20-21で前方を行くヴェローチェのテイラーのインを伺うなど再三の仕掛けを見せると、最終ラップのウェイポイント2でまさかのスピン。コース復帰を急いだ際にふたたびのスピンを喫して横転し、ここでタイトルへの挑戦を終わらせる無情のエンディングとなった。
これで本来なら3位以上でなければチャンピオンの望みがなかったRXRが、今季3勝目を飾ったヴェローチェ・レーシングから遅れること4分で大ダメージを受けたオデッセイ21を運び、2021年初年度のタイトル以来2度目となる劇的なエクストリームE制覇を成し遂げた。
「2023年のチャンピオンシップで優勝するだなんて、まさに夢が叶った気分! ASXEとはシーズンを通して接戦だったけど、今は本当にうれしくて言葉が出ない」と、初戴冠の喜びを語ったコチュリンスキー。
「昨年も懸命に戦って、惜しくもタイトルを逃した。パンクしたのを見たときは緊張したけれど、いつものように私たちは決してあきらめない。困難にもかかわらず、チーム全体のスピリットは決して衰えなかった。このチャンピオンシップは、情熱と忍耐があれば何でも達成できることを力強く思い出させてくれたわ」
同じく、一時は窮地を経験したクリストファーソンも「激しいシーズンを経て、2度目の王座は信じられないほど素晴らしいこと」だと続けた。
「今季のASXEは印象的な戦いを見せ、僕らは戦いのすべての瞬間を楽しんだ。この勝利を、残念ながら直近に亡くなったカイル・ルデュックに捧げたいと思う。ここにいる誰もが、彼とのレースを恋しく思っているよ」