そう記されたように、この撤退表明は2025年から初の水素燃料モータースポーツ・シリーズへと移行する過渡期を念頭に判断が下されたもので、スペインはセアト傘下のブランドであるクプラは、言わずと知れた電気自動車産業の主要企業であるフォルクスワーゲン・グループの一員でもある。
これにより来季、同ブランドはルーカス・ディ・グラッシとニコ・ミューラーを擁するABB FIAフォーミュラE世界選手権に注力することになるが、ことABT(アプト)に関しては、なんらかの形でこの選手権に復帰する可能性が高いと見込まれている。
それを裏付けるかのように、シリーズ創設者兼CEOのアレハンドロ・アガグも、シリーズの公式リリースの中で次のような楽観的な見通しを示す。
「エクストリームE創世記からの3年間を経て、アプトとクプラには心からの感謝を表したい。クプラは我々のチャンピオンシップの偉大な擁護者であり、電動で持続可能なレースの発展を大いに支援してきた」と続けたアガグ。
「彼らのビジネスの焦点は電気自動車市場にあり、我々は水素を動力源とするレースに移行しているため、彼らがフォーミュラEへの関与に集中するのは論理的な動きだ」
「それはつまり、今後もクプラが『電動モータースポーツ』ファミリーの中に留まり続けること意味しており、それは素晴らしい事実だ。彼らの今後の活躍を祈っている」
そのアガグは、改めて2025年の水素シリーズ立ち上げと参入マニュファクチャラーの興味喚起に自信を見せる。
「アプトは2024年シーズンを欠場するが、持続可能なオフロード・モータースポーツに対する彼らの情熱と取り組みは明らかであり、我々は彼らがエクストリームHとともにパドックに戻ってくることを楽観視している」
「そして2025年から世界初の水素燃料レースに移行するにあたり、水素に重点を置くメーカーが我々と協力し、イノベーションを起こすための扉はしっかりと開かれている」
「チャンピオンシップの計画は急ピッチで進められており、それまでの間、我々はまた来年の非常に競争の激しいエクストリームEのシーズンを楽しみにしている」

