【ステージ7】

 休息日を経てラリーは2週目、後半戦に入りました。後半戦初日のステージ7は、リヤドからアルダワディミへと西へ向かうルートで、483kmの競技区間は岩場や砂丘を越えていく、クルー曰く「非常にトリッキーでタフ」なコースでした。しかし、TGRのモラエス/モンレオン組はこのステージでも好調さを見せ、トップから僅か7分06秒遅れの2番手でステージを終えました。

 モラエス/モンレオン組は、ステージ終盤スローパンクチャーに見舞われたことで優勝こそ逃したものの、それ以外はノートラブルで走り切りました。タイヤを交換することなく走り続けたことで、フィニッシュ付近ではタイヤがリムから外れていましたが、なんとかゴール。この好走により、モラエス/モンレオン組は総合順位で首位と1時間0分35秒差の3番手へと浮上しました。

 キンテロ/センツ組はステージ序盤の難しいナビゲーションでタイムをロスし、終盤にはオルタネータのトラブルにも見舞われましたが、首位と17分16秒差の9番手でフィニッシュ。総合では上位争いからは脱落したものの、41番手まで順位を上げました。

 ド・ヴィリエール/マーフィ組は、ステージの大半をチームメイトのキンテロ/センツ組とともに走行。このため、同じようにナビゲーションで苦戦するも、キンテロ/センツ組から8分ほど遅れての11番手でフィニッシュ。総合順位では首位から1時間40分07秒遅れの5番手と好位置につけています。

 ダカール初挑戦のボッテリルは、経験豊かなコドライバー、カミングスの助けもあって目覚ましい走りを見せ、前半戦を終えた時点で総合トップ10をキープ。このステージ7では幾つかのマイナートラブルに見舞われて苦戦。しかし、車両電気系統への対応をうまくこなし、この日は首位から32分16秒遅れの16番手でフィニッシュ。総合9番手は変わらず、8番手車両との差も僅差であり、さらに上位を目指します。

 ヴァリアワ/カザレ組はステージ7でリアディファレンシャルギアのトラブルに見舞われました。一旦停止しオイルを追加しましたが、その後パンクに見舞われ、また、エンジン出力低下にも苦しめられました。なんとか首位から1時間20分5秒遅れでステージをフィニッシュしたものの、総合順位では21番手に後退。それでもこの若きドライバーは将来への経験のためにラリーを戦い、来たるステージを楽しみにしています。

 ラリーは北上しながら西へ向かい、スタート地点のアルウラへと戻った後、西海岸のヤンブー付近でループの2ステージを経て、1月19日(金)長い戦いのゴールを迎えます。

TOYOTA GAZOO Racing勢最高位の総合3番手につけているルーカス・モラエス
TOYOTA GAZOO Racing勢最高位の総合3番手につけているルーカス・モラエス

■ダカールラリー2024 ステージ7終了時点の総合結果

順位 ドライバー/コドライバー 総合首位との差
3番手 #206 ルーカス・モラエス/アルマンド・モンレオン +1h00’35
5番手 #209 ジニエル・ド・ヴィリエール/デニス・マーフィ +1h40’07
9番手 #243 ガイ・ボッテリル/ブレット・カミングス +2h11’16
21番手 #226 サオード・ヴァリアワ/フランソワ・カザレ +5h30’40
41番手 #216 セス・キンテロ/デニス・センツ +41h03’18

■ステージ7終了時のコメント

●シャミア・ヴァリアワ(SVR:シャミア・ヴァリアワ・レーシング代表)

「非常にエキサイティングな一日だったと思う。ルーカス(・モラエス)は素晴らしい走りで、総合順位をひとつ上げた。スローパンクチャーに見舞われたのは残念だが、それも想定の範囲内だ。彼には残りのラリーも冷静に走り続けて欲しいと思う」

「私としては『まだ終わっていない』と言い続けるだけだ。ラリーはまだ5日間あり、やるべきことに集中する。好結果を期待しよう」

●アラン・デュハディン(TGR W2RCチーム代表)

「ステージ7でも、我がチームは貴重なW2RCポイントを獲得することができた。ここダカールラリー2024でポイントを獲得し続けてくれるルーカス(・モラエス)とセス(・キンテロ)に感謝している。彼らは全力で戦い続けており、今日も多くのポイントを獲得してくれた」

「同時に、ルーカスとアルマンド(・モンレオン/コドライバー)は総合順位で表彰台圏内の3位に浮上した。また、総合トップ10にトヨタ・ハイラックスが6台も入っている(プライベーター含む)のを見るのは嬉しいし、そのタフさと信頼性が証明されていると思う」

「今日のステージでのTGR勢の活躍は、休息日に素晴らしい働きでクルマを整備し直してくれた技術スタッフやメカニックのおかげでもあり、彼らにも感謝する」

●ルーカス・モラエス 206号車

「ステージ序盤から(チーム・アウディスポーツのカルロス・)サインツと(バーレーン・レイド・エクストリームのセバスチャン・)ローブとともに好ペースで走ることができ、素晴らしい一日だった」

「スタート直後は非常にトリッキーなコースだったが、アルマンドが素晴らしいナビゲーションをしてくれた。そのおかげでサインツと同じペースで走れたのは大きかった」

「終盤、恐らく残り40kmほどのところでスローパンクチャーに見舞われてしまったが、空気はゆっくり抜けていたので、そのまま走り続けることを決断した。しかし、残り5kmほどのところでついにタイヤがリムから外れ、ペースを落としてフィニッシュせざるを得なかったが、我々は今日の走りで総合3番手に浮上することができた。これまでも表彰台を目指して戦ってきたが、まだ残りは長い。チームが用意してくれた素晴らしいクルマに満足しているよ」

●セス・キンテロ 216号車

「今日は本当に楽しい一日だった。序盤は燃料を節約しようと思ったのもあって、ややペースが遅かったけど、一日をとおして上位を走れたと思う。その後、オルタネータに若干のトラブルが出て、パワーが落ちてタイムを失ってしまった」

「ウェイポイントでも行き過ぎて少し戻ったりもしたけれど、それ以外は素晴らしい一日だったし、チームがすべて直してくれた。あと5日間、まだまだ楽しめるだろう」

●ジニエル・ド・ヴィリエール 209号車

「長く、ナビゲーションが非常に難しい一日だった。上位勢がどんな走りをしたのかわからないが、彼らは信じられないほど速かったよ。我々はやや苦戦し、今日ずっと一緒に走っていたセス(・キンテロ)とともに、何度もコースを見失った」

「正しいコースを見つけるのに、同じ場所で10分以上タイムをロスしたと思う。序盤もコースがトリッキーで、コースを見失うなど、ナビゲーションに苦しんでタイムを失ったステージだった。少なくともまだ我々はラリーを続けており、明日も戦い続けるだけだ」

●ガイ・ボッテリル 243号車

「難しいステージだったね。前半はとても順調だったが、折り返しを過ぎた直後にホイールが緩み、また、電圧が低下するトラブルにも見舞われて警告灯が点灯した。クルマを停めてバッテリを交換し、修復できたと思ったのだけど、その直後にクルマの温度が上がり、油圧や冷却水の圧力が下がってしまった。そのため、以降は慎重な走りが求められたが、不運にも暑い砂丘に入るところで、冷えた状態に保つのは困難だった」

「そんなこともあり、最後までベストな走りができたとは言えない一日だったよ。一方で、中盤のパフォーマンスには満足している。良い日があれば悪い日もある。今日は我々の日ではなかったと言うことだ。まだ我々はラリーを走っているし、明日も戦える」

セス・キンテロ/デニス・センツ(トヨタGRダカールハイラックス・エボT1U) ダカールラリー2024
セス・キンテロ/デニス・センツ(トヨタGRダカールハイラックス・エボT1U) ダカールラリー2024

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