2022年大会より、ラリー・スウェーデンは豊富な積雪が見込まれる同国北部に開催地を移動した。北極線の南側約400kmに位置する北部最大の都市のウメオにサービスパークを置き、ステージは大部分が刷新されている。
森林地帯を中心に展開するステージは雪と氷に覆われた未舗装路であり、ラリーカーは金属製のスタッド(=スパイク)が埋め込まれた、雪道専用の『スタッドタイヤ』を装着して走行する。スタッドがしっかりと氷雪路面に食い込むことで高いグリップ力が発生し、雪壁に囲まれたコーナーを高い速度で駆け抜けることができる。
2024年のラリー・スウェーデンは15日(木)の午前中にシェイクダウンが行われ、同日の19時過ぎより、ウメオの市街地近くで全長5.16kmのSS1『ウメオ・スプリント』が行われる。

森林地帯での本格的な戦いは、翌日16日(金)の9時ごろから始まり、デイ2としてウメオの西側から北側のエリアで3本のステージを各2回走行。昨年と同様となるSS2/5の『ブラットビー』、SS4/7の『フロダ』のステージと、区間の大部分が一新されたSS3/6『ノルビー』が舞台となる。一日の最後には、ふたたび『ウメオ・スプリント』がSS8として行われる。
競技折り返しとなる17日(土)のデイ3は、ウメオの西側から北側にかけてのエリアで3本のステージを各2回走行。新ステージとなるSS9/12や、昨年と同様の区間で争われるSS10/13、そして昨年行なわれたボッツマークのステージと一部が重なるSS11/14が舞台となる。また、一日の最後にはウメオ・スプリントの走行距離を延長した『ウメオ』がSS15として行われる。
最終日となる18日(日)のデイ4は、ウメオの北東で1本のステージをSS16/17として2回走行。最終ステージとなるSS18『ウメオ2』は、土曜日のSS15の再走となり、パワーステージのボーナスポイントとして、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに選手権ポイントが与えられる。ステージは全18本で合計300.10km。、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1202.11kmが予定されている。

2月2~3日に開催されたフィンランドラリー選手権の第2戦『アークティック・ラップランド・ラリー』に、自身が所有するST185型トヨタ・セリカGT-FOURで参戦したヤリ-マティ・ラトバラ代表は、「ラリー・スウェーデンは我々にとってホームラリーのようなもの」と意気込む。
「ここは、2017年にチームが初めて優勝したラリーであり、ウインターコンディションも自分たちにとって馴染のあるものだ。昨年は苦戦したので、今年こそは優勝争いに加わりたいと思い、しっかりと準備を進めてきている」
「フィンランドでのテストに加え、アークティック・ラップランド・ラリーにも参加することで、スノーラリーに対するできる限りの準備ができたと思う」と、昨年表彰台を逃した同地でのラリーへの自信を語る。


また、今大会が2024年シーズン最初のWRC出場となるロバンペラについても期待を語っている。
「カッレ(ロバンペラ)は、今回のスウェーデンでシーズンをスタートするが、このようなスノーラリーで彼は本当に強く、出走順もトップ争いをするうえで助けになるはずだ」
「エルフィン(エバンス)もスウェーデンで優勝した経験があり、彼が先頭に近い出走順であってもベストなパフォーマンスを発揮できるように、準備に力を注いできた。また、(勝田)貴元もスノーロードは得意で、昨年はとてもいいスピードを見せたので、我々の全ドライバーにとっていいイベントになることを期待しているよ」
