更新日: 2024.02.20 19:20
ロズベルグ率いる王者RXRとサインツのASXEが勝利。新時代の“2強”形成へ/エクストリームE開幕戦
視界悪化で苦戦したサンズから最後尾でマシンを引き継いだASXEのマッコーネルだったが、テイラーから3番手を奪おうとした最終周のウェイポイント13でロールアウト。これで実質3台となった勝負は“パパイヤカラー”のグティエレスを抑え切った王者コチュリンスキーが、わずか0.167秒先にラインを通過してシリーズ史上最も僅差となる開幕勝利を手にした。
「今季初戦を勝利でスタートできるのは素晴らしい気分ね」と安堵の言葉をこぼしたコチュリンスキー。
「ヨハンは良い位置でクルマを引き渡してくれたけど、競争は熾烈でとくにクリスティーナとのバトルは大変だった。最後はオーバーテイクを決めて優勝できたのもとてもうれしい!」
明けた日曜は、前日に“ファイナル敗退組の順位決定戦”とも言うべき『リデンプション・レース』で勝利を飾っていたアンドレッティ・アルタウィキラット・エクストリームEのケイティ・マニングスとティミー・ハンセン組が、NEOMマクラーレンXEに代わりファイナル出場権を確保。創設初年度から不変となる唯一のペアが勝負強さを発揮する。
しかしスタートシグナルがグリーンに変わった瞬間、圧倒的なパフォーマンスを見せたのは前日転倒からの雪辱を期したASXEのマッコーネルで、ライバル同様に一時的なパワーブーストとなる“ハイパードライブ”を活用し、ホールショットを奪っていく。
これでクリアな視界が開けた後半スティント担当のサンズも快調に飛ばし、最終的に2位アンドレッティ・アルタウィキラットに1.406秒差をつけての圧勝を飾った。
「とてもハッピーよ。今週末はペースが非常に速く、全員が成長していることが証明され厳しい戦いになった。でもフレイザーと一緒にこの最初のレースで勝利を収めることができてとてもうれしい。昨年の最終戦で惜しくもタイトルを逃したことを考えると、このレースでの勝利はさらに特別なものね」と、昨季最後の1周を無念のクラッシュで終えていたサンズ。
一方、今季よりASXEに新加入したマッコーネルも「このチームに加わることは僕にとってとても大きな一歩、これは大きな大きな勝利だ」と喜びを語った。
「チームやライア、そして(自身の母国)ジャマイカのみんなにとって最高の結果だ。僕はカルロス(・サインツ)とチームによってここに選ばれ、彼らは僕のなかに何かを見い出し、僕を信じてくれた。そのことが自分自身をできる限り深く掘り下げる自信を与えてくれたんだ」と続けたマッコーネル。
「僕はこの機会を最後であるかのように生きるつもりだし、カルロスは子供の頃から僕のヒーローだったから、彼のためにレースをするのはとても気持ちがいい。最高に良い週末になったよ!」
この第2戦日曜のリデンプション・レースは、新規参戦レガシー・モーター・クラブのパストラーナとの攻防を制したエクストロームが勝利を飾る結果に。2024年に向けた新たなルール変更で、ウイナーにはファイナル進出最後の枠と同数のポイントが与えられることから、新生NEOMマクラーレンXEはチーム史上最高位の前日2位に加え、ランキング首位発進のRXRから11ポイント差の5位に喰い下がっている。
そのRXRからわずか2ポイント差でASXE、同6ポイント差でE.ONヴェローチェ・レーシングが続く2024年のエクストリームEシーズン4だが、続く第3戦と第4戦はいまだ開催地未定ながら7月13〜14日に欧州圏内のいずれかの地域で開催される。