更新日: 2024.04.19 18:12
シモーネ・テンペスティーニが初優勝。マックス・マクレーもJr.部門を制覇/ERC開幕戦
しかし最後から2番目のステージ、フィニッシュまで残り2km弱の地点に差し掛かったラトビア出身ドライバーのGRヤリスは、高速左コーナーイン側の切り株に接触してバランスを乱し、そのままクラッシュ。新型車のデビュー戦で開幕制覇の夢は、ひとつのステージを残して砕け散ることとなった。
ライバルの相次ぐ脱落により、ここで首位の座を得たミシュランタイヤ装着のテンペスティーニは、そのままパワーステージも制覇。最終的に17秒差をつけてERC初勝利を手に入れた。
「本当に、本当に素晴らしい気分だ」と、地元ルーマニア選手権では8勝を記録している29歳のテンペスティーニ。
「僕らは本当に良いラリーをした。(コドライバーの)セルジウ(・イトゥ)は本当に素晴らしいペースノートを用意してくれたし、彼は完璧だったよ。ERCでこのクルマとラリーをするのは初めてだったし“彼女”と勝てたのが本当にうれしいよ」
一方、前輪駆動モデルで争われるジュニアERC部門では、今季もフル参戦を予定する19歳のマックス・マクレー(プジョー208ラリー4)が戦略的判断で快走。オープニングループでは、割り当てられたハンコックタイヤのうち4本のみを使用し、残りの8本を温存することを選択。SS8で右フロントタイヤのダメージを負いながらも、最終的にクラス初勝利を収めるクレバーさを披露した。
「とくにこんな難しくて大変なイベントで勝てたのは、とても特別なことだ」と、名門ファミリー出身の重責を背負うマックス。
「僕らは非常に賢明にプレーし、頭を使った。とてもいい感じだ。チャンピオンシップへの良いスタートだったし、次のラウンドでもこの調子を続けて、最終的にどこまで到達できるか見てみよう。とにかく良い開幕になったね」
続く2024年のERC第2戦は、おなじみスペインのグランカナリア島で5月2〜4日に開催される第48回『ラリー・イスラス・カナリアス』が待ち受け、今季の全8戦中5戦が予定されるターマック・ラリーの初戦となっている。