「そう、高速グラベル走行をこなすには絶好の機会だ」と狙いを明かすオリバー。
「サルディニアのようなラリーは、少し遅く、テクニカルで曲がりくねっている傾向がある。改めてスピードを上げて、フィンランドのような場所に向けて頭を働かせるのは良いことだよ。それにここは本当に僕のホームイベントなんだ。家から30分の距離だし、特別なイベントになると想像できる」
「昨年大会のタイスケは年間を通じて最高のものだったことを覚えている。金曜の朝に予選ステージを実施し、その後に本格的なラリーに入り、土曜日はまる1日ステージで全開。その夜にパワーステージを戦い、終わった後はみんなでリラックスして盛大なパーティーをした。ファンと会場の雰囲気は最高だし、またこのラリーを楽しみにしている」
同じく6度のWorldRX王者であり、電動ワンメイクのオフロード選手権『エクストリーム E』での世界タイトルに加え、TCR規定ツーリングカーで争われたWTCR世界ツーリングカー・カップでの表彰台や、地元STCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権の王座まで経験するクリストファーソンが、おなじみのファミリーチームであるクリストファーソン・モータースポーツ(KMS)の保有するフォルクスワーゲン・ポロGTI R5で、ペースの速いグラベルイベントに出場する。
「僕らの忠実かつ密接なスポンサーであるBAUHAUS(バウハウス/ホームセンター・チェーン)から、思いがけず『ハイレベルなラリーに参戦してみたいか』と打診され、間髪入れず承諾した」と語ったWRC2でのポディウム獲得記録もある多才な35歳。
「でもこの5年間、森の中のグラベルラリーを走っていないから、現時点の期待値は低いよ。きちんと準備できれば良かったが、そんな時間はまったくなかったからね。だから今回は成り行きに任せるつもりだ。たまには“underdog(アンダードッグ/かませ犬)”になるのも楽しいものさ!」
そんなチャンピオンの父親でこのKMSを運営するトミーは、地元で開催される国際ラリーに向けた抱負を付け加えた。
「このヴェルムランドでFIAヨーロッパ・ラリー選手権のイベントが開催されるのは本当にうれしい。今やWRCはもうこの界隈で開催されていないからね。また、我々の長年のパートナーであるバウハウスがカールスタッドに店舗をオープンしたことも喜ばしい。そこに行って買い物をしたいからというだけでなく、彼らがヴェルムランドに店舗を構えていること自体がうれしいんだ」

