そのKMSを2年連続のワールドチャンピオンチームに育て上げたトミー代表も、同様に新しい協力関係に強気の姿勢を見せており、100年を超える継続的なイノベーションを誇り、世界クラスの次世代パワートレイン・ソリューションを開発、設計、製造する巨大企業グループとの連携が「チームを次のレベルに押し上げるのに役立つ」と考えている。
「彼らオーロベイは我々が考えられる最高のパートナーであり、これはWin-Winの状況だ。両社には非常に優秀なエンジニアが多数在籍しており、経験や人材を交換できることで、お互いに多大な利益を得るだろう」と続けるトミー代表。
「我々が研鑽を受けたフォルクスワーゲン・グループでは『すべてのモータースポーツは最終的に消費者に利益をもたらすべき』というモットーがあった。競争ほど効果的に開発を推進するものはなく、このプロジェクトで我々は未来のエンジンの開発に参加することができる」
「彼ら両社に存在する極度の願望と情熱を見るのはとても刺激的で、ともにソリューション指向の作業環境を有する。我々の野望は、少なくとも5年間の長期的なコラボレーションであり、これにより長期的な展望を持ってクルマを開発する安心感が得られる。また、パートナーがさまざまな自動車ブランドのエンジン製造業者として明らかな選択肢となることに貢献したいと考えているんだ」
そのオーロベイ・スウェーデンABの最高経営責任者を務めるミハエル・フライスCEOも、この協業に向け高い期待を寄せる。
「レースとパフォーマンスに関する当社のビジョンは、市販の2リッターエンジンをはるかに高い出力レベルに調整し、モータースポーツでも素晴らしい結果を達成できることを世界に示すことにある」とフライス氏。
同じくホース・パワートレイン・リミテッドのCEOであるマティアス・ジャンニーニも「FIA世界ラリークロス選手権は、ホース・パワートレインにとって代替燃料で駆動した場合のICEの性能を示す、素晴らしいプラットフォームだ」と意気込む。「当社は、あらゆる機会にパワフルで軽量なモジュール式ソリューションを提供できる。それを世界に示す最良の機会だよ」
こうして盤石の体制を整えたKMSのトミー代表も、新年度に向け期待を膨らませつつ、競技の側面では慎重な姿勢も見せる。
「スポーツ面では、このバトル・オブ・テクノロジーズはラリークロスに特有の素晴らしいコンセプトだ。非常に大きな挑戦だが、興味深いものでもある。真新しいクルマ、真新しいパートナー、そして電気自動車に匹敵する非常に短い期間で開発されたサステナブルフューエル採用のICEがある」とトミー代表。
「ここ数年、WorldRXで連覇を達成しているが、謙虚にならなければならない。ふたたびタイトルを争うには多くのことが必要だと認識しているからね」
「しかし、開発パートナーを探している面々にとってつねに魅力的なチームになることを目指してきた。今、そこにたどり着いたことに信じられないほど満足しているよ」
その2024年WorldRXの新シーズンは、7月6~7日にKMS・ホース・パワートレインの地元スウェーデンが誇る伝説の地、ホーリエスで開催される恒例の『マジック・ウイークエンド』で幕を開ける。


