「もちろん1000馬力を超える電気自動車(FC1-X)ほどは速くないが、クルマの反応は非常にクイックだ。FC1と同じパドルシフトとギアボックスがあり、このNEXTevoのステアリングとボタン類は、すべてFC1と同じ構成なんだ」と解説するマテル。
「ドライビング面では、パワーがかなりあるからクルマをスライドさせることになる」
「間違いなく、これまでのライツとはかなり違った運転になる。NEXTevo ではデフの設定をいじってリヤのスライドを調整できるが、はるかに速いクルマに乗り、設定次第でリヤをスライドさせ、パワーで姿勢を作る方法を知ることができるようになるんだ」
その新しい『FC2 NEXTevo』は、従来の約320PSから480PSにまで出力が上昇し、さらに回数制限による限定使用のナイトロ・ブースト機能の活用により約100PSが加算され、約600PSを誇った旧スーパーカーに匹敵するトラック上のパフォーマンスが約束される。
それほどのパワー向上にもかかわらず、この新型モデルは若い世代でも扱いやすく「ドライブは非常にイージーでもある」とマテルは指摘する。
「スロットルで自動的にステアリングを切るような感じさ。これは良いことで、何故ならこれまでのライツはつねにアンダーステアが多く、セットアップと格闘する必要があったからね。望むパワーが得られず、クルマをスライドさせることができないように感じていたんだ」とマテル。
「でもこのクルマ(NEXTevo)はアンチラグを備えた非常に高いパワーを誇り、それをいじって体感することも可能なら、パワーでクルマを転回させターンを“流しっぱなす”パワーを得ることができる。それはライツでは不可能だったし、スライドするといつもかなり遅くなっていたからね。でも今では、コーナーのなかでクルマの位置を調整でき、それほど時間を失わずにターンすることが可能になるんだ」
世界的にラリークロスの人材を育成してきたライツは、アメリカでもGRCグローバル・ラリークロスと呼ばれていた時代(2013年)から走り続けてきたが、近年はそのランニングコスト高騰が話題となってきた。
その点でも新たな参戦プランが予定され、基本費用は週末のダブルヘッダーごとに約4万ドル(約640万円)で新品のヨコハマタイヤのセット、P1レーシング・フューエル社製の100パーセント化石フリーとなるバイオコントロール燃料、さらにドライバー登録と参加費、およびレースカーのイベントへの往復のロジスティクスも含まれることになる。

