ラリー/WRC ニュース

投稿日: 2024.07.02 18:36
更新日: 2024.07.02 18:46

勝田が訪問先のル・マン24時間で感じた新しい視点と刺激。初挑戦WRCポーランドは難渋の8位


ラリー/WRC | 勝田が訪問先のル・マン24時間で感じた新しい視点と刺激。初挑戦WRCポーランドは難渋の8位

 また大会前には、WRCと並んでトヨタが注力しているWEC第4戦のル・マン24時間レースをチームメイトのセバスチャン・オジエとともに現地観戦。勝田自身も大親友にあげる平川亮の応援としてトヨタのピット内でその走りを見守り、フェラーリやポルシェとの激しい優勝争いを見届けた。

「今回は、トヨタ初優勝の2018年大会以来6年ぶりに現地に行って、TGR(TOYOTA GAZOO Racing)さんにいろいろと用意してもらって応援に行きました」

「現地は、画面越しで見る以上に雰囲気やプレッシャーがあり、スタッフひとりひとりがものすごい重圧のもとで戦っているのだな、ということを改めて感じました」

勝田貴元とセバスチャン・オジエ
2024年WEC第4戦ル・マン24時間を訪問した勝田貴元とセバスチャン・オジエ

「ラリーの場合だと、(ステージとサービスパークとの距離があるため)チームメンバーの支えを間近で見られていなかった部分があったのですが、今回はル・マンで違う角度からその点を感じることができたので、すごくいい刺激になりました」

 チームスタッフの働きに間近で触れたことで、ドライバーとしての立ち回りについても考えるきっかけとなり、外からレースを観戦するよりもさらに深い経験が得られたようだ。

「もしトヨタが優勝していたとしたら、また違う気持ちになったかもしれませんが、悔しいからこそ感じることもありました」

「あんなに多くの人数があれだけ努力しても、ほんのちょっとのことや運だったりで結果が左右されてしまうというのは、残酷でもありましたが、仲間として応援する思いが強まりましたし、自分自身もさらに頑張りたいと感じました」と、最終スティントまで勝利を争ったトヨタメンバーの雄姿が刺激となったと語った。

2024年WEC第4戦ル・マン24時間
2024年WEC第4戦ル・マン24時間 勝田の大親友である平川亮もドライバーとして戦うTOYOTA GAZOO Racing

 その勝田がドライバーを務めるTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチームは、現在マニュファクチャラー選手権において、首位ヒョンデ・シェル・モービスWRTを10点差で追う2位につけている。

 これからのシーズン後半戦に向けては「どれだけ日曜日をプッシュできるか」がポイントになってくると指摘。土曜日時点と日曜日のみの順位で換算する今年の新ポイントシステムに合わせた戦い方が必要になってくる。

「去年までのポイント換算なら、トヨタがリードしている状況ですが今は10ポイントの差をつけられています」

「トヨタはいままで『クルマの強さ』を武器にしてきました。ただ今年は『土曜日までクルマが保てばいい、日曜日はリフレッシュ』といったような戦い方になってきています。なので、改めてチーム全体で今までと違うアプローチで取り組んでいきます」

 勝田にとって今回のポーランド戦は、一貫して苦境のなかでの戦いとなった。迎える後半戦に向けては、以前から「狙っていきたい」と語っていた第9戦フィンランドや、ホームラウンドとなる『ラリー・ジャパン』も待っている。接戦のマニュファクチャラー選手権でリードを得るためにも、まずは次戦ラトビアで良い流れを掴みたいところだ。

勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)
2024年WRC第7戦ラリー・ポーランド 勝田貴元とTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチームのメンバー


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