新時代幕開けとなる6日土曜の第1戦では、予選ヒートで先行したグロンホルムが最終ラップで電気系統の問題に見舞われ失速。これで辛くも勝利を挙げた“絶対王者”に対し、他方のピラミッドではクララが快走を見せ、中間リザルトの折り返しでクリストファーソンと同率首位に立つ。
セミファイナルで2019年の世界チャンピオンであるティミー・ハンセンを撃破し、王者とともにヒート2勝を飾って重要な決勝で初のポールポジションを獲得したクララは、迎えたファイナルで通算55勝と6回の世界タイトルを獲得するチャンピオンに挑んだが、スタートラインでわずかに先行され惜敗の2位に。それでも自身のWorldRX最高位に手応えを得る緒戦となった。
「私たちが成し遂げたことをとても誇りに思う。チームは冬の間、素晴らしいパッケージをまとめるために信じられないほど懸命に働き、私はFPから自信を感じていた」と2年前の世界選手権デビュー以降、着実にステップを重ねてきたクララ。
「決勝ではヨハン(・クリストファーソン)についていこうとしたけれど、彼がチャンピオンになったのには理由がある。今日は完全ではなかったけど、とにかくとてもうれしい」
一方、決勝前のヒート2ではグロンホルムとの接触でスピンを喫し、内燃機関モデルの危うさを指摘していた絶対王者は、その新型を評して「クリーンエアでは抜群に速い。とても快適で、リズムも良く、最後はミスもなかった」と開幕勝利を飾ると、悪天候で水浸しの路面に転じた日曜第2戦では早くも“無双状態”に突入。
午前のヒートで後続に10秒近い差をつけて連勝を飾ると、午後のセミファイナルでも「ラリークロスの世界で言えば永遠に等しい」12秒もの大差で勝利。決勝ではポールポジションから追随する集団を振り切り、完璧なスコアを達成して22ポイントの圧倒的リードを築いて開幕ラウンドを終えた。
「コンディションは非常にトリッキーで決勝ではホイールスピンが少し多すぎたが、アスファルトからグラベルへの出口で非常に良いグリップを見つけ、ニクラス(・グロンホルム)に追いつくことができた」とクリストファーソン。「このクルマは雨の中でドライブするのに夢のような性能だ。とても満足しているよ」
併催カテゴリーとなるフル電動ワンメイクのFIA RX2eチャンピオンシップでは、そのKMSジュニア的存在のチームEから参戦する昨季王者ニルス・アンダーソンが、僚友のミカエラ-アーリン・コチュリンスキーやアイザック・シェクヴィスト、モリー・テイラー(#YellowSquad)らを退け、意外なことに自身のシリーズ初優勝を達成。同じくEuroRX1では、前年度覇者のパトリック・オドノヴァン(チームRXレーシング/プジョー208WRX)が大会連覇を成し遂げている。
新たな“バトル・オブ・テクノロジーズ”の時代が幕を開けたWorldRX、続く第2戦は「赤い大釜」の異名を持つハンガリーのニーラドで、7月27~28日に引き続きのダブルヘッダー・ラウンドが予定されている。



