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投稿日: 2024.07.29 12:40
更新日: 2024.07.29 20:38

絶対王者“遺恨”の接触決着でグロンホルムが今季初勝利。クララも3位表彰台を獲得/WorldRX第2戦


ラリー/WRC | 絶対王者“遺恨”の接触決着でグロンホルムが今季初勝利。クララも3位表彰台を獲得/WorldRX第2戦

 一方、2年前のスペイン・カタルーニャでも接触裁定でクリストファーソンにペナルティが科され、ケビンがランオフに大きく弾き出されるアクシデントを経験していた両名は、停車直後に身振りで不快感を示したハンセン・ブラザースの弟が“絶対王者”への不快感を露わにした。

「6回の世界チャンピオンを自称する人が、敬意を持ってレースをできないことに失望している」と続けたケビン。「僕の前輪は明らかに彼の後輪より前にあったが、ヨハンがルールを尊重しなかったことで僕はすべてを手放さなければならなかった。さもなければ、彼は僕を高速でコンクリートの壁に押し込んでいただろう」

「それがどんな感じかは想像に難くない。僕は分別のある大人だから、放っておけばいいと思ってはいるが、明らかにスポーツマンシップに反する。これが続くようなら、彼も僕と同じ運命に遭うだろう」

 そんな怒り心頭のケビンに対し、クリストファーソンも譲らない見解を示す。

「写真を見れば、すべてがわかると思う。あれはレースでは起こり得る類のもので、ただそれだけだ。長い間、結果が出ていない場合はどうしても結果が欲しい。そういうときはもちろん勝ちたいと思うだろう。よく分かるが、そういうものだ」

 この事故を調査したスチュワードは両ドライバーにペナルティ裁定を下し、クリストファーソンは戒告、ハンセンは失格処分との判断がなされた。

 その失望から奮起したクリストファーソンは、約24時間後には反転攻勢に転じると、ヒート2こそティミーやグロンホルムにサンドイッチされ窮地に陥るも、損傷したマシンでファステストを記録。その後のセミファイナル、ファイナルでも主導権を譲らず、キャリア通算43勝目を手にした。

「昨日は最高の日ではなかったが、今日はずっと良かった! 昨夜は修理に一生懸命取り組んでくれて、とても速いクルマを用意してくれたチームには本当に感謝している」と語った35歳のチャンピオン。

「無理にプッシュしたわけではないし、ただスムースにドライブしてミスをしないように努めた。もし本当に“キラー”ラップが必要だったなら、もっと速く走れたはずだよ……」

 その背後では、オープニングラップでジョーカーを消化した僚友クリスチャン・ベイビーがKMSのワン・ツーを完成させると、開幕2位表彰台のクララ・アンダーソン(CEディーラー・チーム/PWR RX1e)が電動チーム最高位の3位に入る結果に。

 彼女は週末最後のヒートで雨天用タイヤを装着するという賭けに出ると、ハンセン・ブラザーズの2台を仕留める粘り強い走りを見せ、今季2度目の価値あるポディウム獲得となった。

 最後までそのアンダーソンを追い掛けた兄のティミーを含め、これでハンセンWorldRXチームとしては開幕2戦4ヒート連続で表彰台を逃す、まさかの幕開けとなった2024年シーズン。続く第3戦は78月17~18日にベルギーのメテで、同じくダブルヘッダー・ラウンドが予定されている。

停車直後に身振りで不快感を示したハンセン・ブラザースの弟ケビンだったが、最終的に失格処分に
「2022年以来、多くの努力を重ねてきたが、ゆっくりと、しかし確実に、僕らが目指す場所に近づいているね」と勝者ニクラス・グロンホルム
前日の失望から奮起したヨハン・クリストファーソンは、約24時間後には反転攻勢に転じる
開幕2位表彰台のクララ・アンダーソン(CEディーラー・チーム/PWR RX1e)が電動チーム最高位の3位に入る結果に


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