更新日: 2024.09.18 01:18
WRCドライバーを目指す日本人3名が伝統の『ミッレミリア』に挑戦。2期生はラリージャパン参戦が決定
今回は2期生と3期生の計3名が同じイベントに出場したTGR WRCチャレンジプログラムだが、後者の後藤と松下の次戦は10月4~5日にかけて開催されるフィンランド・ラリー選手権の最終戦『ラリー・キテー』に決まった。このラリーは典型的な高速ラリーでありながら、テクニカルなステージも存在し、彼らにとって2024年最後のグラベルラリーとなる予定だ。
一方、2期生の山本は、怪我の治療を終えた小暮ひかるとともに11月21日から24日にかけて、愛知県と岐阜県で開催されるWRC第13戦『フォーラムエイト・ラリージャパン』に出場する。2022年にフィンランドに渡った彼らにとって、これは生まれ故郷である日本で行われるWRCホームイベントへの初めての挑戦となる。
以下、ラリー・ミッレミリアを終えての3選手のコメント全文。
●山本雄紀(GRヤリス・ラリー2/総合12位)
「事前のテストはうまくいきましたが、ラリー序盤はその時のリズムをなかなか再現することができませんでした。路面のコンディションは滑りやすく、テストの時と同じようなフィーリングが得られなかったからです」
「しかし、コンディションが改善し、チームと一緒にクルマのセットアップ作業を続けた結果、フィーリングを取り戻し、ペースを改善することができました。以前出場したクロアチア・ラリーは路面の汚れがひどく、つねにグリップに影響が出ていたので非常に難しかったですが、今回のイベントは路面コンディションがより一定でした」
「そのため、舗装路でのドライビングがよりスムーズになるように調整を行なうことができましたし、グリップを見つけるプロセスの助けにもなり、ステージ中のタイヤの温度管理能力を高めるなど、基本的なテクニックをさらに向上させることができました」
「次のイベント、自分にとってのホームラウンドである日本大会に向けて、素晴らしい経験となりました」
●後藤正太郎(ルノー・クリオ・ラリー4/ラリー4クラス9位)
「とても素晴らしい経験になりましたし、予想していたよりもずっとうまくいきました。テストやシェイクダウンを終えても、自分にとっては新しい路面であるターマックに自信を持つことができませんでしたが、ラリーが始まるとすべてがうまく回り始めました」
「そして、クルマをハードにプッシュする自信がつくと、さらに楽に運転できるように感じられました。ターマックではアンダーステアもオーバーステアも出してはならず、正確かつクリーンな運転が求められ、グラベルのようにスライド量を管理したり修正したりする余地はないので、グラベルとはまったく異なるドライビングアプローチが求められました」
「当初は路面の変化に大きなショックを受けましたが、このイベントを終えて、今後ターマックラリーで戦っていくための確かなベースができたと感じています」
●松下拓未(ルノー・クリオ・ラリー4/ラリー4クラス11位)
「イタリアは、景色も食事もファンも最高でした。ステージだけでなく、ロードセクションにも非常に多くの観客が集まっていました」
「デイ1は激しい雨に見舞われたことで、最初のステージは湿った路面と泥で非常に滑りやすくトリッキーだったため、リズムを掴むのに苦労しました。しかし、ひと晩よく眠ってから2日目に臨んだところ、スピードが上がったように感じました」
「過去に一度だけ日本で距離の短いターマックラリーに出場したことがありましたが、今回はその時とはまったく異なる体験でした」