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投稿日: 2024.09.25 12:31
更新日: 2024.09.25 12:45

「世界はまだまだ広い」。平川真子がWRC女性選手育成キャンプで可能性を実感。兄・亮からのメッセージも


ラリー/WRC | 「世界はまだまだ広い」。平川真子がWRC女性選手育成キャンプで可能性を実感。兄・亮からのメッセージも

 世界中から15人が一堂に会して競うという初の試みを終えた平川は、不選出の悔しさを感じつつも、どこか清々しさを感じている様子で心境の変化を語る。

「ひとりで海外でやっていくのは、日本でやるのとは全然違いましたし、これまですごくみんなに守られて、助けられてレースをしていたんだな、ということもすごく思いました。改めて、周りの方々に感謝の気持ちがより深まりました」

「これからはもう、ちょっとやそっとのことがあっても、乗り越えられるような気がします。もうなんか、全然世界は広いんだなと思いました」

「世界はまだまだ広い」。平川真子がWRC女性選手育成キャンプで可能性を実感。兄・亮からのメッセージも
走行後に英語でアドバイスを受けている様子

「世界中の女性ドライバーが集まって、いろんな女子ならではの話だったり、ラリーの話だったりときには何かアドバイスをくれたりとかして、すごく楽しかったです。それも含めて、さらにラリーが大好きになったプロジェクトでした」

 3人の選抜選手が発表された際には、それぞれがハグをしながら健闘を称え、近い未来での再会を誓ったという平川。そのなかでも、トレーニングを進めていくなかでひとりの戦友ができたのだという。

「一番の戦友はですね、(レバノンの)ジョアンナ・ハッスーンという選手です」

「英語を話せない私を気にかけてくれて、『大丈夫? 今の話は全部聞こえた?』みたいにすごく寄り添ってくれました。あとは、ディナーまでのフリータイムがあるときは、ふたりでポーランドの街に出かけたりもしたんです」

「ホテルの周辺を、話しながら歩くという普通の散歩な感じでしたが、私にとってはすごく印象的な時間でした」

「世界はまだまだ広い」。平川真子がWRC女性選手育成キャンプで可能性を実感。兄・亮からのメッセージも
平川真子と話すジョアンナ・ハッスーン

 さらに、競い合い、支え合った同志のほかにも、日本からはたくさんのメッセージが届いており、心細さもあったトレーニングキャンプ中の大事な支えとなっていた。

「出発する前からたくさんの方にメッセージいただいて、キャンプのときも『大丈夫?』と気にかけてくれた方もいました。なので、帰路ではもうみんなと早くコミュニケーション取りたくて、飛行機では機内Wi-Fiを買ったくらいです」

「家族からも、父親からは毎日メッセージがあって、『胸を張って帰国してください』という言葉をもらいました」

「兄の亮には、ちょっとコミュニケーションがあんまりできなかったから、そこが一番悔しいと伝えたら、『英語ができると絶対に世界が広がる』と。『せっかく友達もできたし、連絡を取って状況を話し合って、それで英語も勉強できたらすごくいいし、最高の環境だったね』と言ってくれました」

 最後には、トレーニングキャンプで感じた課題と、これからのラリーやレースへの意気込みを言葉にし、声援をくれた多くのファンへの言葉とともに締めくくった。

「世界はまだまだ広い」。平川真子がWRC女性選手育成キャンプで可能性を実感。兄・亮からのメッセージも
『ビヨンド・ラリー女性ドライバー育成プログラム』に参加した平川真子

「選ばれなかったときは非常に悔しかったのですが、私のなかでいろんなことをすべてやりきって、すっきりした感情がありました」

「やっぱり準備不足があったなことは感じましたが、課題もすごく明確に見えて。みんなが見えない努力をたくさんして、これまで悔しい想いをしてきていると思うので、日々の積み重ねが自分は足りていないなと感じました」

「世界はまだまだ広いので、自分の可能性を信じてもっともっと努力して、自分の夢を叶えられるように頑張りたいとすごく強く思っています。私はクルマを運転するのが大好きだと再認識しました。Beyond Rally, Fun to drive.もっともっと皆さんとラリーやレースを楽しみたいです。これからも応援よろしくお願いします!」

 初のポーランドで14人の戦友としのぎを削り、確かな手ごたえと新たな熱意を得た様子の平川。2024年シーズンは九州の地区選手権でポイントリーダーとなっており、11月のラリージャパンにも全日本ラリーをともに戦うトクオワークスレーシングからの参戦するという。世界での挑戦を機にさらなる進展を夢見る彼女は、未来を切り開いていく殻破りの走りを見せてくれそうだ。

●Profile
平川真子(ひらかわまこ)
1996年生まれ、広島県出身。
18歳からレーシングカートをはじめ、2018年にKYOJO CUPで四輪レースデビュー。2022年からは全日本ラリーにも参戦し、レーサーとしてキャリア7年目を戦っている。2024年KYOJOではつねにトップ5に入る走りを見せており、全日本ラリーでは第3戦久万高原ラリーでJN-5クラス4位入賞を果たすなど、着実に実力を伸ばしてきている選手のひとりだ。そして、現在WEC世界選手権でトヨタのレギュラードライバーとして戦い、F1ではマクラーレンのリザーブドライバーを務めている平川亮の妹でもある。

「世界はまだまだ広い」。平川真子がWRC女性選手育成キャンプで可能性を実感。兄・亮からのメッセージも
『ビヨンド・ラリー女性ドライバー育成プログラム』に参加した平川真子


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