初テストの段階から、新しいセンターレイアウトのドライバーズシート位置と、より低く中央へと改良されたバッテリー搭載位置も併せて、コーナーや不均一な路面でハンドリングや走破性が著しく改善されていることを示していたパイオニア25だが、僚友の元WorldRX世界ラリークロス王者もマニングスの意見に同調する。

「先代のオデッセイ21から学んだすべての知識がパイオニア25の設計、製造に活かされている。全体的に見て、このクルマははるかに優れた設計になっていることがわかるね」と続けたティミー。

「それと、各トラックのセットアップを最適化するために、チームが使用できるツールがさらに多く用意されているのも非常に興味深いし、クルマは非常に安定している。そのため、今ではクルマの真ん中に座って、各車輪の位置を完全に制御しているような感覚になる。すべてのレースカーは、このように製造されるべきだと思うね」

 そして今季はモリー・テイラーとともにタイトル戦線に加わっていた弟のケビンも「モータースポーツの未来に関し、新たな領域を試すことができてとても興味深い」と、そのファーストインプレッションを語った。

「今回がパイオニア25に乗る初めての機会だが、たった5年前に僕と兄がオデッセイ21をテストしていたのに、その5年後にこのシリーズのまったく新しい未来がやってきたなんて信じられない気持ちだ」と、シリーズ創設前に完全バッテリー式オフローダーの初期開発テストも担当していたケビン。

「彼らはエクストリームEカーから多くのことを学んでいる。シャシーが改良され、ハンドリングも向上し、重心も低くなっているのは明らかだからね」

 フランスでのテストの成功は、2025年のエクストリームH公式ラウンチに繋がる多くの前向きなステップの最新の話題となり、過去12カ月の開発期間中、すでにパイオニア25は過去3シーズンのエクストリームEに匹敵するテストマイルを走破し、先月にはFIA国際自動車連盟のクラッシュテストに合格した“最初の水素レーシングカー”となっている。

「このテストセッションは、我々のパイオニア25の開発と新生エクストリームHのチャンピオンシップ全体にとって、もうひとつの重要なマイルストーンだ」と続けたのは、シリーズのテクニカルディレクターを務めるマーク・グレイン。

「ケイティ、ケビン、ティミー、そしてニクラス(・グロンホルム)などのトップレベルのドライバーからのフィードバックは、クルマのパフォーマンスと信頼性を微調整する上で非常に貴重なんだ」

「彼らの洞察力は、このクルマが速くて競争力があるだけでなく、モータースポーツにおける水素技術の潜在能力をフルに発揮できる状態であることを保証するのに役立つだろうね」

マニングスとハンセン兄弟がエクストリームH用『パイオニア25』を初テスト「競技車両はこうあるべき」
「新生エクストリームHのチャンピオンシップ全体にとって、もうひとつの重要なマイルストーンだ」とマーク・グレイン(右)

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