更新日: 2024.11.13 18:11
絶対王者は予選ヒート時点で“7冠”達成。決勝では両日ともに初優勝者が誕生/WorldRX最終戦
「ケビン(・ハンセン)と僕が予選で少し戦いすぎたため、その日の始まりはあまり良くなかったが、準決勝ではヨハン(・クリストファーソン)の助けを借り、決勝ではスタートを決めた」と振り返ったベイビー。
「レース前に自分に言い聞かせたんだ。『さあ、今がその時だ。このレースに勝たなくちゃ!』ってね。僕らのペースは本当に良く、KMSのクルーたちが無線で僕を落ち着かせてくれた。長い間、全力で取り組んでくれたチームのみんなに感謝したい。この結果を3年間追い求め、前回のポルトガルではあと少しだった。ようやく手にできて最高だ!」
グロンホルムに続き3番手でチェッカーフラッグを受けたチャンピオンだったが、コミュニケーションミスによるジョーカーの失敗で6位に降格する珍しいミスがあり、ケビンが最後のポディウムを獲得してランキング2位の座を固めた。
「とても楽しかった。パートナー、デザイナー、メカニック、エンジニア、そしてチームメイト全員に心から感謝する。全員が素晴らしい仕事をしてくれて、完璧な1年になった」と、改めて喜びを語った35歳のクリストファーソン。
「このチームには優秀な人材がたくさんいる。信頼性が高く、ドライブしやすいクルマを用意し、万全の準備でシーズンに臨んだ。これで7回目のワールドチャンピオンシップタイトル……やはり実感を得るにはしばらく時間が掛かるが、本当にスゴいね!」
こうしてスウェーデン、ノルウェー出身ドライバーが躍動した土曜に続き、明けた日曜は最高峰への出場が約3年ぶりというフィンランドはスオネンヨキ出身のリトコネンがセンセーショナルなパフォーマンスを披露した。
朝のウォームアップに続きヒート1で素晴らしいスピードを再現して勝利を収めると、ヒート2こそ最初のコーナーの出口でバリアに押し込まれ失敗したものの、強い雨の降るセミファイナルで圧倒的な勝利を収め、非常に重要なファイナルで最前列グリッドの席を獲得してみせた。
ここでポールシッターのベイビーがふたたびトラクションを掛けられずに遅れると、トップに躍り出たリトコネンがクリストファーソンの早い段階での挑戦を掻い潜り、後続に3秒以上の差をつけフィニッシュしてみせた。
「言葉が出ないほど驚いている」と、2020年に地元コウヴォラで世界選手権デビューを飾った際も、表彰台に登って感銘を与えた33歳のリトコネン。
「僕を信頼してくれたチームに心から感謝したい。昨日は僕たちにとって厳しい一日だったが、今日はずっと良くなった。決勝でふたりの世界チャンピオンに勝てたことは本当に特別な気持ちだし、素晴らしいよ!」
これで2021年以来初めて、クリストファーソンが表彰台のトップに立つことなく週末を終えたことになったものの、家族経営のKMSはチーム部門の世界選手権で王座防衛を成し遂げることに。来季2025年のWorldRXは、既報のとおり1月23~25日までカナダのトロワリビエールにて、シリーズ初のアイスレース・イベントで幕を開ける。