トヨタ自動車 プレスリリース

MORIZO Challenge Cup第2戦 ツール・ド・九州2025 in 唐津

第2戦には11名の若手が参戦
スタートから首位を譲らず大竹が2連勝

 4月12日(土)から13日(日)にかけて、2025年シーズンの全日本ラリー選手権(JRC)第2戦『ツール・ド・九州2025 in 唐津』が佐賀県唐津市を拠点に開催され、JN-2クラス内の若手育成カテゴリー、MORIZO Challenge Cup(MCC)において、トヨタ・ガズー・レーシング・ワールドラリーチーム・ジャパン(TGR-WRJ)から参戦する、大竹直生選手/橋本美咲選手が優勝を飾りました。

 MCCは、若手ドライバー育成を目的に2024年から導入された、全日本ラリー選手権JN-2クラスのサブカテゴリーです。今シーズンもJN-2クラス車両規定をベースとした「トヨタGRヤリス」で争われます。全日本ラリー選手権全8戦で開催され、25歳以下(一部条件付きで28歳以下)のドライバーが対象。MCC独自のポイントが付与され、1位~3位までの上位入賞者、最多SSトップタイム賞、最優秀女性ドライバー賞が表彰されます。また、シリーズ年間成績優秀者には、副賞としてTGR WRCチャレンジプログラム最終選考の参加資格が与えられます。

 第2戦唐津には、開幕戦に参戦した大竹直生選手、稲葉摩人選手、ジール・ジョーンズ選手、兼松由奈選手、松原周勢選手、長尾綱也選手、最上佳樹選手、平川真子選手に加え、新たに奥井優介選手、⽶林慶晃選手、岩堀巧選手がエントリー。今年の唐津はスペシャルステージ(SS・タイムアタック区間であり、タイムが計測されるコース)の構成が刷新されており、ラリー参戦歴のある選手も含めた11組のクルーは未知のコースやコンディションを経験することになります。

 ドライコンディションとなったラリー初日、SS1でトップタイムを刻んだのは、前戦三河湾を制した大竹選手。SS3は稲葉選手、SS6はジョーンズ選手がベストタイムをマークしましたが、大竹選手は一度も首位を譲ることなく、2番手の稲葉選手に34.6秒、3番手のジョーンズ選手に37.1秒差、4番手の最上選手に42.3秒差をつけて、初日を終えました。

モリゾウチャレンジカップ 2025年第2戦唐津 ラリーレポート
MCC3位となった稲葉摩人/竹下紀子組(MATEX-AQTEC DL KYB Yaris) 2025全日本ラリー第2戦唐津

 事前の天気予報どおり夜半に降雨があり、最終日の路面はウエット。前日、30秒を超えるマージンを手にしていた大竹選手は、2番手以下との差をコントロールするクレバーな走行を披露します。大竹選手は湿った部分と乾いた部分が混在する難しい路面において、大きなミスもなく、トップでフィニッシュしました。

 2.5秒という僅差で最終日をスタートした稲葉選手とジョーンズ選手でしたが、SS7でベストタイムを記録したジョーンズ選手が2番手に浮上。しかし、SS9で大竹選手に続く2番手タイムで走行した稲葉選手が、スピンを喫したジョーンズ選手を逆転します。サービスを挟んだ午後のセクション、SS9でふたたびベストタイムをたたき出したジョーンズ選手が稲葉選手をかわします。稲葉選手はSS11、SS12と連続ベストタイムを刻みますが、ジョーンズ選手がわずか1.4秒差で逃げ切り、自己ベストとなるMCC2位表彰台を獲得しました。

 3位の稲葉選手は前戦三河湾に続く連続表彰台。今回、運転免許証取得後、初めてのラリーを経験した米林選手は、MCC10位で走り切っています。

モリゾウチャレンジカップ 2025年第2戦唐津 ラリーレポート
MCC2位のジール・ジョーンズ/バイデン・トムソン組(CUSCO WM DL GR Yaris) 2025全日本ラリー第2戦唐津

■全日本ラリー選手権第2戦唐津 モリゾウチャレンジカップ最終結果

Pos.Driver&Co-DriverCarGap
1大竹直生/橋本美咲GR YARIS GR4 Rally1h28’27.9
2ジール・ジョーンズ/バイデン・トムソンCUSCO WM DL GR Yaris+0’48.9
3稲葉摩人/竹下紀子MATEX-AQTEC DL KYB Yaris+0’50.3
4最上佳樹/小藤桂一FIT-EASY Racing ZEAL GRYARIS+1’31.6
5長尾綱也/安藤裕一WPMS GRヤリスDAT+2’48.1
6松原周勢/槻島ももCUSCO WM DL GR Yaris+2’59.8
7兼松由奈/山下秀ロッソモデロ 大東建託 GRヤリス+3’40.3
8岩堀巧/岡田誠MSワタナベ一六RACING GRヤリス+4’15.9
9平川真子/竹原静香GR YARIS GR4 Rally DAT+5’03.5
10米林慶晃/木村悟士KTMS GRヤリス+12’02.3
R奥井優介/藤田めぐみCUSCO WM DL GR Yaris――

■ドライバーコメント

大竹直生(MCC1位/最多SSトップタイム賞)

「まずは開幕2連勝が素直にうれしいです。SSが新しくなったことや路面の変化もあり前回の三河湾以上に難しい展開となりましたが、ドライとなった土曜日に差を広げられたことが大きかったです。最終日は前日夜に雨が降って落ち葉も出てきたので、レッキの時にはなかった滑るポイントが多かったのですが、そういうところでしっかり速度を落とし、余裕を持って走れたので、いいラリー運びができたと思います」

ジール・ジョーンズ(MCC2位)

「土曜日にトラブル続きだったことを考えると、フィニッシュできて、安心しています。上位4台が高いレベルで争っていましたし、2位でフィニッシュできたことが本当にうれしいです。最終日は滑りやすいコンディションに適応することに専念し、かなりうまく走れたと思います。SS9ではスピンしたことで大幅にタイムロスし、クルマにもダメージを負いました。悔しさもありますが、大きな学びもありました。今回の表彰台はハードワークを続けてくれたチームに捧げたいと思います」

稲葉摩人(MCC3位)

「最後に連続ベストタイムを獲得できましたが、SS7やSS10でジョーンズ選手が本当に速かったです。今回、コンディションの悪い路面において、タイムロスを最小限に抑えることに関して、上位ふたりとの経験の差を感じました。コ・ドライバーの竹下選手からは温かいフォローをいただきましたが、やはり悔しさが大きいです。ただ、表彰台はうれしいですし、最終日に3回もベストタイムを獲得できたことは、ポジティブに捉えています」

最上佳樹(MCC4位)

「最終日の午前中、泥が出ている箇所などには気をつけて、かなり抑えて走りました。高速セクションは経験の差が大きく出て、大竹選手、ジョーンズ選手、稲葉選手に離されてしまいました。このようなSSは苦手意識や恐怖心がありましたが、今後も改善しながら頑張らなければならないと実感しています」

長尾綱也(MCC5位)

「三河湾よりはターマック(舗装路)が好きになってきましたし、タイムも上位に近づいてきました。GRヤリスDATは唐津の道にはすごくフィットしていると感じています。唐津のSSは変速回数が少ないので、ワイドなギヤ比を活かして走ることができました。路面が乾き始めた最終日の午後はヒヤリとするシーンもありましたが、無事に帰ってくることができました」

松原周勢(MCC6位)

「最終日、とくに2ループ目はフィーリングがどんどん良くなっていきました。滑りやすい状態ではありましたが、ドライに近くなったことで、スピードに乗せることができました。もちろん滑るので気をつけなければなりませんが、すごく楽しかったです。GRヤリスDATは非常に面白いクルマで、さらに熟成を進めていけば、もっと上位に食い込めそうな手応えがあります。個人的な目標は、同じGRヤリスDATでJN-2クラスに参戦する大倉選手です。大先輩に追いつけるよう頑張ります」

兼松由奈(MCC7位/最優秀女性ドライバー賞)

「最終日の午後、路面コンディションが回復してからは走りやすく、タイムアップもできましたが、荒れた状態が続くSSでは、かなり遅れてしまいました。他の選手のデータロガーなどを確認しながら、なぜ大きなタイム差につながってしまったのか、研究する必要があると感じています」

岩堀巧(MCC8位)

「最終日午後は、テクニカルなセクションで多くのミスを喫しました。路面を見極め切れず、滑りやすい箇所で攻めすぎてしまい、危ない瞬間もありました。それが上位とのタイム差につながっています。正直なところ、実力差がありすぎて、悔しさもあります。色々な意味で大きな刺激を得られた一戦でした」

平川真子(MCC9位)

「今回はドライとウエットの両方を走り、まずは無事に完走できたことに安心しています。様々な経験を得ることができ、必ず次につながると感じています。そんなきっかけを見つけられた一戦でした。また、今回はヤリ-マティ・ラトバラ監督にノートやドライビングについてレクチャーをいただけたのが、私にとっても本当に大きかったです」

米林慶晃(MCC10位)

「初めてのラリーを終えて、感動しています。SSをすべて走り切ることができましたし、まるでゲームの世界に入り込んだような気分でした。奴田原監督から『(ギャラリーステージでは)サイドブレーキを引かなくていい』と言われていましたが、たくさんの観客の皆さんがいたので、ついサイドブレーキを引いてしまいました。サイドターンは、うまくいったはずです。まだ、あまり速く走れませんでしたが、本当に楽しく走れました」

奥井優介(リタイア)

「初めてのラリーでしたし、スタートは本当に緊張しました。落ち着かない感じでしたが、走り始めてしまえばなんとか、という感じです。今回は『結果を考えないように』『自分のペースの基準を作って、無理をするな、他の選手と比べるな』と言われていました。リタイアという結果は残念ですが、自分の中では思っていたよりも、ペースノートを聞いてきちんと走れた印象です」

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