更新日: 2017.06.08 17:07
ダカールラリー連覇中の王者プジョー、度重なるルール変更議論に対し撤退を示唆
プジョーの対抗勢力となる存在として、BMWの支援を受けるX-RAIDチームが挙げられるが、これまでのミニ・オール4レーシングと、今季からワールドカップ・クロスカントリー・ラリーに投入している新型モデル、ミニ・ジョン・クーパー・ワークス・ラリーはどちらも全輪駆動の4WDモデルだ。
X-RAIDチームのボスで、元ミツビシのWRCチームも率いたスヴェン・クワントは、この規則変更が実行されれば「プジョー3008DKRを4WDモデルと同等の競技レベルに揃えることができるだろう」と語った。
「プジョーがここ近年、イベントを席巻する競争力を発揮している背景にはレギュレーションによるバギー優遇の要素がある。それが支配的な際には、こうした(度重なる規則改正議論の)動きを織り込んでおくべきだろう」とクワント。
プジョー・ワークスに所属し、ラリー界の“帝王”として君臨するカルロス・サインツも、代表であるファミンの発言に同調し「規則の変更はあまりに行き過ぎたステップだ」とコメントした。
「かつての我々は1kmあたり1秒も遅いマシンで戦いに挑んだが、誰も『こんな規則は間違っている』なんてことは口にしなかった」
「しかし、今ではプジョー・チームが素晴らしい仕事を成し遂げた陰で、当事者以外の誰もが不平を言うようになっている」
「たしかに、コンペティションの側面からは差が大きいことは理解するが、まだいくつかのシチュエーションで4WDモデルのアドバンテージが残されていると感じる」
伝統のダカール・ラリーで30年ぶりの3連覇を狙うプジョー・ワークスにとって、次回のWMSCの結論が重要な意味を持つことになりそうだ。