競技最終日の11日(日)は距離が短く、4つのSSを途中サービスを挟まずに走行するルート構成です。ミケルセンは、路面に砂利の多い2番手スタートとなりながらも、序盤2日間の進捗を活かして好タイムをマーク。同様にブリーンも、SS16でふたたびトップ3タイムを刻んでみせました。
最終SSのパワーステージを走り終えて、ミケルセンは、シトロエン・トタル・アブダビWRTから出場する初めてのラリーを8位で完走しました。ブリーン/マーティン組もラリーをフィニッシュし、マニュファクチャラーズ選手権でのポイントをチームにもたらしました。
悲喜こもごものラリー
今回の第7戦では、クルーによってリザルトがまったく異なるラリーとなりました。
「スタート前、私たちはドライバーたちにラリーを完走するように求めました。もし彼らがそれを果たせば、2台はトップ5に入れるだろうと考えたからです。その考えは、間違ってはいないと思います」とシトロエン・レーシングのチーム代表、イブ・マトンは状況を説明します。
「ところが、クリスはミスのないラリーをするために必要なペースを維持することができませんでした。最初のSSを終えた時点で、彼はマシンの扱いやすさを感じており、掲げたターゲットに向けてペースも安定していると語っていました。残念ながら、彼はそれをキープすることができなかったのです」
「クレイグはジャンプの着地でマシンを強打し、彼の戦いは終わってしまいました」とマトンは続けます。

「ステージの経験不足が大きな痛手となり得ることが、証明されてしまいました。彼がダメージを負った場所は、このラリーの経験が豊富なドライバーには有名な、難しい場所だからです。また、彼のリタイアはアルゼンチンでの状況と似ている部分もあります。こうしたタイプの衝撃にマシンが対応できる方法を模索しなくてはなりません」
「アンドレアスのアプローチは、非常にしっかりとしたポジティブなものでした。イベント前のテストで、私たちはC3 WRCを彼のドライビングスタイルに合わせる必要があると理解しました」
「彼は、左足ブレーキを一切行わないのです。この作業にはもちろん時間がかかるので、今回のラリーはテストセッションのような意味合いを持つことになりました」
「総合8位というリザルト以上に、一緒にいい仕事ができたと思っています。彼は、我々がどんなポイントに取り組まなくてはならないのかを指摘し、さらなる改善が見込める点を特定してくれました」