続く日曜は、エンジンを交換したことで復調したスピードがすべてのヒートを制してファイナルまで進出。同様にセミファイナルBを制したチームメイト、ファウストとのVARXフロントロウ直接対決が実現した。
そのスタートでは、スバル・チームUSAのWRX STIをドライブする元WRCワークスドライバー、クリス・アトキンソンがロールオーバー。これでセッション中断となり、仕切り直しとなるが、アトキンソンは怪我を負わなかったばかりでなく、なんと再びグリッドに並び、何事もなくリスタートを切った。

その混乱に乗じて、オープニングの数コーナーでスピードをかわしたのは、ファウストとデヨングの2台。そのままビートルとシビックが激しい首位争いを展開し、背後からスピードが追う展開となるが、後方では前日の勝者アルピンがストップし、母国連勝の夢は断たれることに。
レース終盤までにファウストがセーフティマージンを築くなか、今度は2番手争いが激化。
最終ラップまでデヨングを追い詰めたスピードが最終コーナーでシビックに並び、フィニッシュライン通過時点で前に出ることに成功。ギリギリのタイミングでVARXのワン・ツー・フィニッシュを完成させた。

「楽しいレースだった。最終コーナーでミスを犯したんだけど、なんとか間に合ってよかった。最後は窓からの視界が(泥で)ほとんどなかったよ」とスピード。
一方、2戦連続の3位表彰台となったデヨングは、ルーキーシーズンながらこれで今季3回目の表彰台を獲得し、ポイントランキングでも4位に浮上。
「今日は僕のできる最善を尽くした。トラックも高速で難しかったし、最高に楽しめたよ。最後まで元気だったシビック・クーペ・タイプRを用意してくれたチームにも感謝したい」と、デヨングはすでにチームのエース候補へと成長を遂げている。
GRCの次戦、第7戦はアメリカ国内に戻り、7月8~9日にインディアナ州のインディアナポリス・モータースピードウェイを舞台に開催される。
