明けたデイ2も、全6SS、106.16kmのラリーはドラマティックな展開を見せる。朝1番に設定された32.70kmの今ラリー最長SSで飛び出したカエタノヴィッチは、続くSS8、SS9とスパートし3連続でベストタイムをマーク。彼のフィエスタには若干のブレーキトラブルが出ていたにもかかわらず、これで前日には7秒以上あったブフィエとのタイム差を逆転してラリーリーダーの座を手にする。
一方のブフィエは、選択したソフトコンパウンドがドライのステージにマッチせず、時折現れる水たまりやマッドな路面にも苦戦しながら、なんとかカエタノヴィッチのタイムに喰らい付くと、SS10ではベストタイムを叩き出し0.4秒逆転し首位奪還。しかし最終目前のSS11は再びカエタノヴィッチが0.9秒上回り、0.5秒の僅差で再び首位に立つなど、緊迫したシーソーゲームが続いた。
そして迎えた最終SS12。11.75kmのステージで最速を競い合った2台は、ブフィエがカエタノヴィッチを0.8秒上回るベストでフィニッシュし、総合でわずか0.3秒差という逆転劇で勝利。見事、この2017年シーズンで最初の2勝目を挙げたドライバーとなった。

「こんな地獄のようにハードな勝負に勝てたことは本当にうれしいよ」と喜びを語るブフィエに、次戦ラリー・リエパヤで3年連続王座獲得のシナリオが見えてきたカエタノヴィッチは、勝者を祝福する言葉を贈った。
「みなにとって初めてのイベントで、こうして優勝争いを展開できてうれしい。マシンは完璧な仕上がりだったし、ブライアン(・ブフィエ)との勝負は楽しかった。彼は今日、本当に素晴らしいドライビングを見せたし、おめでとうを言いたい」

久々の表彰台となる3位に入ったポルトガルのスター、ブルーノ・マガラエス(シュコダ・ファビアR5)は、このポディウムでなんとかタイトル争いに踏みとどまり、最大36ポイントの獲得が可能な残る有効1戦で、現状24ポイント差を逆転することに望みをかける。
ERCの次戦、10月6〜8日開催の最終戦ラリー・リエパヤは、これまでの初春開催から秋にスケジュールが移動。ラトビアのバルト海沿岸部を中心としたステージは、これまでと異なりまったく雪や氷と無縁のステージが待ち受ける。

