一方、勝田は競技2日目の午後、スペアタイヤを1本しか積んでいないなかで、2度のパンクに見舞われたことでデイリタイアを余儀なくされてしまう。
ラリー2規定の下、翌日のデイ3から走行を再開してからは荒れた路面での経験を積むことにフォーカスを当て、そこでさまざまなことを試しながらの走行に徹したという。その勝田は最終的に総合26位/クラス13位でラリーを完走している。
「とても厳しいラリーでした」と勝田。「ラリー・ポルトガルは昨年に続き2度目の挑戦でしたが、ここまで道が荒れている印象はなく、今回は本当に信じられないようなコンディションでした」
「SS5でパンクを2回してしまったのですが、スペアを1本しか持っていなかったのでその日は走行を継続できませんでした。翌日からは、学ぶことに重点を置き、いくつかのセッティングやドライビングスタイルを試しながら走りました。とても厳しい週末となりましたが、この経験は必ず今後に役立つと思います」と前を向いた。
プロジェクトのチーフインストラクターを務めるヨウニ・アンプヤは「今回は信じられないほど荒れた条件でのラリーとなり、勝田、新井にとっては非常に良い勉強になったと思う」とコメント。
「今回のようなラリーでトラブルを避けるにはペース配分とタイヤの管理がキーになる。次戦のラリー・イタリアは今回と似たコンディションになるので、今回の経験が必ず役立つでしょう」
「新井とグレン(・マクニール)がともに戦うのは今回のラリーで最後となった。グレンの協力なしには我々は今のレベルに到達できていなかったはずで、彼のこのプログラムへの彼の多大な貢献に心から感謝しているよ」
新井と勝田の両名はWRCの次戦、6月7~10日に開催される第7戦ラリー・イタリア・サルディニアのWRC2クラスに参戦する。同イベントでは新井の新たなコドライバーとしてヤルモ・レーティネンが加わる予定だ。