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 また、ルキヤナクと選手権を争うポルトガル人のブルーノ・マガラエス(シュコダ・ファビアR5)は、土曜午前のループで「ソフトすぎる」マシンに苦しみトップ10圏内をキープするのがやっとの状態。

 ミッドデイ・サービスでリヤのアンチロールバーを交換して午後のループに臨んだものの、今度は電気系の問題でエンジンの点火が断続的にカットオフされる不具合が生じ、不完全燃焼のまま6番手で夜を越すこととなった。

 明けた日曜のデイ2は、オープニングのSS9で観客の安全性が担保できずステージキャンセルとなり、28.6kmのロングSSを失ったバッソやマガラエスは逆転に向けより厳しい展開に。

 それでも総合2番手のバッソは地元出身の意地で、各SSごとにわずかにルキヤナクとのギャップを縮める力走をみせたが、最終的には7.5秒及ばず。そのままロシアン・パフォーマンス・モータースポーツのルキヤナクがリードを守りきり、今季3勝目を飾った。

 そして最後の表彰台となる3位争いはデイ2を通じて激しさを増し、総合4番手に浮上してきた“10タイムス・チャンピオン”のアンドレウッチとお互いにタイム差を詰め合うシーソーゲームとなるなか、その差が2.1秒にまで迫ったSS13でレジェンドを悲劇が襲う。

 12.8kmのステージでフィニッシュまで残り1kmを切った地点で、アンドレウッチのプジョーはステージを外れて激しくロールオーバー。コースをふさぐ形となり、彼の表彰台への望みが砕かれると同時に、後続のバッソ、グジプらには平均値の公称タイムが加算されることになり、この結果グジプが自身初のERCポディウムを獲得することとなった。

 そして総合4位には初日からステディな走りに徹したシュコダ・オート・ドイチェランドの支援を受けるファビアン・クルム(シュコダ・ファビアR5)が入り、初のERCジュニアU28クラス優勝を達成。5位にマガラエスのリザルトとなった。

 続くラウンドとなる8月24~26日開催の第6戦は、2004年にERCが現行形態に移行して以来カレンダーを守り続けている伝統の1戦”バウム・チェコ・ラリー・ズリン”となり、チェコ共和国の首都プラハから南に300kmに位置する学園都市モラヴィアを舞台に、森林のなかを走る荒れたターマック(舗装路)ステージに挑む。

悪癖のオーバードライビングも影を潜め、安定したマネジメントでイベント初制覇を成し遂げたアレクセイ・ルキヤナク
初日からステージの特性習熟に専念したファビアン・クルムは、徐々にペースを掴みERCジュニアU28クラスを初制覇
ポーランド人のグジェゴシェ・グジプも自身初となるERCポディウムとなり「夢が叶った」と喜びのコメント
2度のヨーロッパチャンピオン獲得経験者、ジャンドメニコ・バッソがその経歴に恥じないパフォーマンスを披露した

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