2月の第2戦スウェーデンでWRC2クラス優勝を遂げている勝田は、一時クラス5番手につけたものの、2日目に行われたSS8走行中、ジャンプから着地した際の衝撃でパワーステアリングが破損してしまう。
これにより、「急にステアリングが違う方向にロック」されたという勝田はマシンをコントロールできないままコースアウトしてクラッシュ。マシンの修復は叶わず、ラリー序盤に姿を消すことになった。

勝田は「一瞬のことだったのでどうすることもできませんでした。それまではだんだん調子が上がっていただけに残念です」と悔しさをにじませる。
「朝はあまりリズムに乗れていなかったので午後はドライビングスタイルを変え、フィーリングもより自然になって徐々によくなってきていたところでした」
「とても早くラリーが終わってしまいましたが、1年前と比べて成長は見せられたと思いますし、安定性も向上したと思います」
ヤルッコ・ニカラとのコンビで挑んだ足立は、2日目最初のステージであるSS2でコースオフがありデイリタイアとなる苦しい立ち上がり。3日目以降はパワーステアリングなどにトラブルが出る場面もあったが、クラス14位、総合48位でラリーを走りきっている。
足立は「SS2でコースオフしてしまったときは信じられない気持ちでしたが、チームが素晴らしい仕事をしてクルマを直してくれました」とコメントしている。

「翌日からはとにかく距離を重ねて経験を積むことに集中しました。ペースノートのリーディングはまだ少し遅れる部分もありましたが、フィンランドの道でのヤルッコの豊富な経験がカバーしてくれました。コドライバーとしてとても成長したと感じています」
ラリーチャレンジプログラムでチーフインストラクターを務めるヨウニ・アンプヤは「金曜日は3台とも最後まで走りきれず、チームにとってはとても厳しい1日となった」と週末を総括する。
「新井とニカラは小さなミスが原因でデイリタイアとなり、勝田はメカニカルトラブルによるアクシデントで翌日以降も走ることができなかった」
「彼らのスピードからはポジティブな面も見ることができたが、期待していた結果は得ることができなかった。ただ、下を向くことなく、起こったことをきちんと分析し、次のイベントではより良い結果を出したいと思う」
プログラムに所属する新井、勝田、足立の3名が挑む次の戦いは8月31日~9月1日に行われるフィンランド・ラリー選手権第6戦。新井と勝田はフィエスタR5を、ニカラとコンビを組む足立はスバル・インプレッサWRX STIに乗り込む。