前日、ダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)と0.8秒差の総合2位争いを繰り広げていたヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)は、SS16へ向かうロードセクションで「ギヤを1速に入れようとしたが、入らなかった」とギヤ周りにトラブルを抱えてしまう。
なんとかSS16はスタートしたものの、ギヤトラブルの症状は悪化していったため、ステージを完走することなくマシンを止め、リタイアを余儀なくされた。
ラトバラは「油圧ポンプが止まってしまったんだ」と当時の状況を説明する。
「ギヤチェンジを手動に切り替えることはできたが、油圧ポンプが作動していないためギヤボックスに大きなストレスがかかり、結局駆動を完全に失った」
「今年は何度も運の悪い出来事に遭遇してきたけど、今週末はいいフィーリングを感じていただけに残念だ」

また、総合2番手だったソルドもSS16でコースオフしてマシンにダメージを負い、SS17でリタイアしたため、総合2位はティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)が獲得。総合3位にはラッピが繰り上がり、トヨタは2戦連続でふたりのドライバーを表彰台に送り込んでいる。
チーム代表を務めるトミ・マキネンは「我々のチームにまたしても素晴らしい時間が訪れた。オットは前戦のラリー・フィンランドに続き今回もまた週末を通して傑出していた」とタナクを称賛している。
「唯一、今朝ヤリ-マティ(ラトバラ)のクルマに問題が起こってしまったことには失望した。我々は彼が今日のステージで活躍するだろうと確信していたから、本当に残念だ」
「運に恵まれなかったとも言えるが、できる限りヤリ-マティをサポートするつもりだよ。ドイチェランドはミスをしやすいラリーだけど、エサペッカ(ラッピ)は、ミスなくクリーンな素晴らしい走りをした」
「今回は、チーム全員の献身的な働きにより、ターマックラリーで素晴らしい結果を残すことができた。そして、今季の残るラリーにも最大限の努力で臨もうと、皆がモチベーションを高めている」
WRC第10戦は9月13~16日に開催されるラリー・トルコ。同国でのWRC開催は2010年以来のことで、今回は地中海に面したリゾート地、マルマリスを舞台に争われる。このマルマリスを舞台にWRCが行われるのは今年が初めてだ。
グラベルイベントとなるラリー・トルコは路面がフラットな高速ステージと多くの石が転がる山岳ステージが入り交じる難易度の高い構成が予定されているほか、9月中旬のトルコは日中は気温が高いため、チームには熱害対策も求められる。