GRCの2年間で複数のポディウムを獲得し、セバスチャン・エリクソンのドライブで優勝も飾っているシビック・クーペは、ラリークロス車としてスタンダードになりつつあるインボード式サスペンションレイアウトを採用。これらはすべて、同じOMSEが製作に関わっているフォード・フィエスタRXのノウハウも活用されており、エンジンもそのひとつだ。
シビック・クーペについてはスウェーデンで複数のテストが重ねられているといい、このシビック・クーペにはフィエスタRXが今季苦戦を強いられている要因となっているエンジン出力の改善に焦点があてられている。
エリクソン代表は「このホンダのマシンは大幅な改良とアップデートが施される」と自信をみせる。
「もちろんFIAルールに適合させる作業が最優先だが、私は個人的にもホンダのことが気に入っているし、ラリークロス界に新鮮な驚きをもたらすことができると思う」
著名なエンジンチューナーのマウンチューンとともに、長期にわたってパートナー企業として実績を重ねてきた地元スウェーデンのトロルスピードの手で、フィエスタ、シビック双方に搭載するエンジンの改良が続けられており、先日行われたカナダRXで投じられたアップグレードもシビック・クーペに投じられる見込み。
「ホンダはGRCが“消滅”しなければラリークロスを継続していただろう。彼らは北米で非常に巨大な影響力を持つマニュファクチャラーだからね。我々としても(ARXなどで)そうした市場との関係性を意識させることが重要なんだ」
チームは年末までに少なくともシビックの1台を実戦投入したいと考えており、その初戦はラリーXノルディックかWorldRXのいずれかになるとみられている。

