更新日: 2018.12.28 18:37
ダカールラリー:二輪部門に挑むホンダ、立ち向かうは“ペルーの軟らかい砂”。対策はエンジン耐久性向上
「砂地ではスロットルがつねに開いているし、回転も高いので、燃費が悪くなります。ですが、その部分に関しては計算済みです。できるだけ燃費が悪くならないようにフューエルインジェクションの方でコントロールしています。また、プログラムもつねに更新していくので、ライダーの要求に合わせて変え、最適なところを狙ってやっています」
タイヤに関しては、2018年まで使用していたミシュランからメッツラー、ピレリを使用。状況に応じて最適なタイヤを選択していくようだ。
「タイヤは去年までミシュランだったのですが、今年はミシュランは使っていないです。2019年のダカールラリーは砂地がほとんどということで、砂に対する有利なタイヤ、かつうちのバイクのエンジン特性に当たったタイヤをチョイスしています。(ふたつのメーカーのタイヤは)状況に応じて良いタイヤを使ってレースを行うということになります。役割もしっかりしていますし、特性も事前に十分テストをやっています」
■チームのミスをなくすために行った運営面の強化
ダカールラリーでは、ルートや競技を行うにあたっての注意点が書かれたロードブックと呼ばれる指示書を基にステージを走行する。四輪では、ナビゲーションを行うコドライバーが存在するが、二輪の場合はライダー自身がライディングに加えナビゲーションを行わなければならない。
そのため、ライダーはロードブックに書かれた内容を正確に把握するナビゲーション能力が必要となる。二輪のロードブックはA5版サイズの巻物状の地図で、メーターの上付近に取り付ける。
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2019年は、ライダーマネージメントを新たに2名起用し運営面を強化。ふたりは主にナビゲーションの面をサポートするとのことだが、どのような役割を果たすのだろうか。
「ロードブック上に2本目の道を右に曲がりなさいと記されていても、現場に出てみると目印がなく、どこにでも道があるので、2本目の道なんてものはないわけです。その道を判断するための細かいところのアドバイスをふたりにやってもらいます」
2018年はナビゲーションのミスにより優勝を逃したと語っていた本田代表。2019年は「甘かった箇所を強化した」と盤石の体制を敷いている。
最後に本田代表はこう締めくくる。
「ダカールラリーへの挑戦は7回目。今回は勝つ準備をしっかりしてきたので、あとはそれを計画通り実行して、本当に勝つということだけです」