「でも、最大の問題点はまだ僕自身に充分なラリークロスの経験がないことだ。世界選手権やヨーロッパ選手権(ユーロRX)で戦えるようなエキスパート・ドライバーを見つけることができれば、僕らのマシンの可能性が証明できると思うんだ」
このGen2モデルというべきキア・リオRXスーパーカーは、以前のモデルからはUnic AB製のトランスミッションのみがキャリーオーバーされており、リヒテンシュタインに拠点を置くレーマン・モトーレンテクニーク(Lehmann Motoren-Technik)社が引き続きチューニングを担当したエンジンは、2リッター直列4気筒のキア製ブロックをベースにしながら、大幅な出力向上を果たしている。
「サスペンションのジオメトリーやロールセンター配置、重量配分などを含めてクルマ全体の構成がまったく異なるものへと進化している。だからマシンのハンドリングやバランスもこれまでと完璧に違っているんだ」と説明するガリ。
「例えば、以前のモデルではR5用の汎用品を使っていたアップライトだが、今度のモデルは新規に起こした専用設計品になっている。そのためラリークロスに特化した剛性と強度を保ちながら、より軽量に仕上がっているんだ」
「唯一変えていないのはトランスミッションだけど、これは以前から信頼性も操作性も満足のいくものだったからだ。それでも配置に関してはまったく異なる搭載方法に改められているけどね」
ガリは1月末に地元イタリアの故郷にほど近い、北部ロンンバルディア州リヴィーニョで開催されたアイス・チャレンジ・チャンピオンシップに新型マシンを持ち込み、ゲスト参戦も果たしている。

