そのロペスの言葉とスピードが無意識下での重圧になったか、明けたデイ2オープニングとなるSS5で、チャンピオンがまさかの失態を演じる。
ロペスがこのSSでもベストタイムを記録する一方で、ルキヤナクはステージ中盤の左コーナーでイン側をカットした際に、フロントをヒットしてタイヤとサスペンションを破損するアクシデント、開幕戦に続きトラブルで戦列を去ることになってしまう。
これでライバル不在となり大きなマージンを得たロペスは、マージンを管理する走りに切り替えて残るSSを走破。2番手を走行していた同じくERC1登録の有望株、トクスポートWRTのクリス・イングラム(シュコダ・ファビアR5)とのギャップを28.5秒も残して全8ステージを走りきり、スペイン人として2007年以来となるERC勝利を手にした。
「本当に、本当にうれしい瞬間だ。シトロエン・レーシングとチームのメンバーに感謝の言葉を捧げたい。昨季は出場機会も満足に得られず、キャリアのうちでもっとも困難な時期だったが、こういう状況で勝てたことは本当に重要な意味を持つよ」と、喜びを語ったロペス。
「アレクセイとはいい戦いをしていたので、2日目最初のステージで終わってしまったのは残念だった。僕は良いスプリットタイムを刻んでもいたしね」
「30秒以上のマージンを手にしたときは”心のペースノート”を保つのが本当に難しいんだ。道の上に留まって、ただドライブすることだけに集中した。それを成し遂げて、この瞬間を迎えられて最高だよ」
一方、デイ2終盤までERCジュニア2冠のマリアン・グリーベル(シュコダ・ファビアR5)がイングラムと2位の座を争う好走を見せていたが、クラッチのトラブルやパンクなど相次ぐトラブルに見舞われ9位に後退。最終的にイングラムの背後3番手には、開幕戦で初勝利を挙げたウカシュ・ハバイ(シュコダ・ファビアR5)が入っている。
続くERC第3戦は5月24〜26日のラリー・リエパヤ。もともとはスノーイベントとして行われていたが、2016年からグラベル(未舗装路)戦へと移行した1戦だ。
2019年は開催時期が5月下旬に移されて最初の開催。シリーズは島しょ部連戦から一転、ラトビア西部の高速グラベルステージでのバトルが展開される。


