FIAによれば、すでにこの4年間の規定サイクルに向けた電動化キット、ならびに充電インフラの供給入札が開始されており、オーストリアに拠点を置くエンジニアリング企業のSTARDを率いる元WRC世界ラリー選手権ドライバー、マンフレッド・ストールは最初のサプライヤーとして6月初頭にも供給計画をアナウンスしている。
すでに4年も前にラリークロス用のEVスタディ“Hyper Mk1”を走らせていたSTARDは、2019年3月に“Projekt E”として本格化したEVラリークロス車両の開発にコミットすることを宣言しており、前後モーターアクスルによる4WDの駆動系とデファレンシャル、そして電子制御式の前後トルク配分とベクタリング機構を備えたコンポーネントを、この新規則に対応させる計画だという。
さらにキットにはモーターコントロールモジュール、電気式トランスミッション、RESS(リチャージャブル・エナジーストレージ・システム)と呼ばれるバッテリー・キャパシタやワイヤリング・システム、そして充電インフラが含まれている。
STARDによれば、これら最新キットを搭載した技術スタディはフォード・フィエスタのボディを使用してデモンストレーションを実施。その車両は『ELECTRX』と命名され「完全にフレキシブルなデザインが採用され、将来的なEVへのコンバートを見据えてBセグメント以上のすべての市販ロードカーのボディシェルに適合するシステムとして設計されている」という。
またトップカテゴリーのRXスーパーカーに加えて、ワンメイク車両が用いられるFIAジュニアeRXシリーズも電動化されることが決まっており、同じくモーターによる4輪駆動ながら出力は250kW程度に抑えられることになる。


