このイベント会場に入るまで537馬力/750Nmを発生する“パンテーラRX6”をドライブした経験がなかったコロネルは、わずか8分間のプラクティスのみで本戦に挑んだ。
「そう、わずか8分間の練習で世界選手権クラスのドライバーたちを相手にしなくちゃいけなかったんだ!」と、Q1ヒートをふり返ったコロネル。
「かなり緊張していたし、もちろん前に行くことなんて考えてもいなかった。好意的に見て、2日目(ラウンド6)にセミファイナルまで進めればOKだと思っていた。でもそれが本当に実現しそうなところまで行けた(カットラインの12位に対し13位)。これでやる気が芽生えたし、ふたたびこのシリーズにカムバックする日を熱望している」
コロネルはパドックのメンバーとも積極的に交流を図り、初体験のマシンとモンタリグレのトラックをどう攻略すべきかを情報交換。そのオープンな雰囲気が「大いに助けになった」とも語っている。
「セクタータイムで負けているのはグラベル区間のみだった。他のドライバーに『インカーカメラを置かせてもらえないか』と聞いたら、彼らは『問題ないよ』と言ってくれたんだ。それでGoProを置いて、夜にホテルで映像をじっくり確認し、勉強に励んだってわけさ」
「ここでは誰もがお互いのテントに気軽に足を踏み入れ、ハンセン兄弟のドライビングの秘密さえ見ることができる。コーナーで使用するギアを尋ねることさえ可能だ。ドライバーの考え方を知るのは本当に見ごたえある経験だった。誰もが同じ機会、同じ可能性、同じ理解を持っている。モータースポーツはこうあるべきだと思うね」
土曜のラウンド5はケビン・ハンセンが決勝全ラップを支配し、シリーズ史上初の連勝をマーク。2位にBTCCのBMW使いアンドリュー・ジョーダンが入り、こちらも連続表彰台を獲得。
この日3位だった兄のティミー・ハンセンは翌日のラウンド6で意地を見せ、弟のケビンと選手権ライバルであるヘイキネンを従えて勝利を飾り、土日ともに決勝進出を果たしたブリーンが4位。そのブリーンとバトルを演じた6位モリナーロは、ランキング5位に躍進している。
全8戦のシーズンが予定される『タイタンRXラリークロス・シリーズ』の第4戦は、シリーズ創設者の本拠地でもあるオーストリアに向かい、全長1.150kmのMJPアリーナを舞台に9月7~8日の週末に争われる。



