日曜午後に12台で争われたシーズンファイナルとなる決勝序盤はブライアン・ハータ・ラリースポートのフォード・フィエスタGRCをドライブするパトリック・サンデルが引っ張り、4番手に同じくチップガナッシ・レーシングのフィエスタ、ブライアン・ディーガンが2台のビートルを挟む形で続いた。
オープニングラップにショートカットのジョーカーポイント走行義務を消化した先頭集団は、後続をみるみる引き離し、レースはフォード勢vsアンドレッティ・オートスポートのチーム戦の様相を呈する。

お互いの隙をうかがいながら、サンデル、スピード、ファウスト、ディーガンのオーダーで続いた精神戦は、残り2周でスピードがサンデルのインを突き、ヘアピンで首位浮上……かと思われたが、唯一ジョーカーを温存していたディーガンが先頭のパッシングと同時にショートカットに飛び込み、まんまと出し抜くことに成功。そのまま逃げ切り今季初優勝。2位のスピードが4位に終わったファウストを6ポイント逆転し、タイトルを獲得する劇的な幕切れとなった。


「今日は僕のキャリアのなかでも、もっとも感動的な1日になったよ」と、スピード。
「スタート直後の1コーナーで“タナーがすぐ後ろだ”って無線を聞いた時はショックだった(笑)。目の前にサンデルがいたし、なんとか自分でチャンスを作らなければならなかった」
「ラッキーなことに、自分が仕掛けたことでタナーとの距離を稼ぐことになった。みんなが自分のレースをして、クリーンに勝利を決められたことが本当にうれしいよ」
