「ERCはハイレベルで、どのラリーも僕にとっては未知数になる。だからこそたくさんの学びがあり、WRC昇格を狙う上でも良い前進になるだろう。MRFタイヤがERCのプログラムに僕を選んでくれたのには大いなる意味があると感じている。彼らの期待に応えるスピードを見せたいね」
一方、2019年最終戦でクリス・イングラムとの激闘を展開し、わずかな差でシリーズ連覇を逃したアレクセイ・ルカヤナクは、再びフレンチ・チームのシトロエンC3 R5をドライブし「プレッシャー・フリー」のアプローチでシーズンに挑むと宣言した。
「僕らは昨年、白紙の状態からスタートしたけれど、今はマシンとチームについて多くのことを知っている。これで間違いなく、誰に取ってもより簡単な位置から始めることが可能になる」と意気込みを語った39歳のルカヤナク。
その”ロシアン・ロケット”の異名どおり、ライバルをして「地球上で最速のラリーストのひとり」と言わしめる速さは、ときにリスクと隣り合わせ。ゆえに好成績よりもアクシデントを引き寄せることが多かったのも事実だ。
「もちろん、私は自分が速いことを知っているが、それが本当に良いリザルトをもたらすわけではないことを残念に思う。でもラリーへの情熱は変わらない。現代のマシンは非常に速く、コントロールが容易で、多くの喜びが得られる。この感覚は重要だ」
「チャンピオンシップを考えると自分にプレッシャーを与える場面が増えてくるが、今季はよりドライビングに集中したい。ときには(テストで怪我を負った)肩の古傷が足を引っ張るけれど、リラックスして運転を楽しむことが重要だ。それが私にとって最大の戦略になると思う」
これによりSaintéloc Junior Teamは、ルカヤナクとマリアン・グリーベルがシトロエンC3を。Team MRF Tyresはブリーンがヒュンダイ、リンドホルムがシュコダをドライブするという強力な布陣が実現することとなった。
しかし、3月14日にERCのプロモーターを務めるユーロスポーツ・イベントは、世界中で猛威を振るう新型肺炎COVID-19コロナウイルスの影響により開幕戦アゾレス・ラリーの延期を発表。
3月26〜28日に予定されていたスケジュールを9月17〜19日に移動し、カレンダーの第6戦へと編入。続く第7戦キプロス・ラリーに多くのエントラントが対応できるようにと、このイベントも当初の10月9〜11日より1週遅れて、10月16〜18日の週末へと移されている。


