「これは新車にとって本当に良いスタートになった。僕のアウディは1日中完璧に機能してくれたしね」と、今季からWorldRXでKYB Team JCに加入した勝者ラーソン。
「ファイナルでは素晴らしいスタートが決まった。グロンホルムが速いのはセミファイナルで分かっていたし、オープニングラップはテンポを重視し、スリッパリーなグラベルで慎重に慎重を期したよ。今日は何の問題もなく楽しい1日だった。今週末が楽しみだね」
そう語ったラーソンの言葉どおり土日のラウンド2も熾烈な展開となり、土曜ふたつの予選ヒートでは、ラーソンとグロンホルムが引き続きのペースセッターに。
しかし悪天候と化した日曜のQ4で異次元のドライビングを見せたのはクリストファーソンで、リビルトされた2016年式フォルクスワーゲン・ポロは盤石の戦闘力とは言い難い状況だったにも関わらず、セミファイナルではライバルを10秒近く突き放してみせる。
これでファイナルに向けラーソンと並んでの最前列を確保したクリストファーソンは、スタート直後のターン1でアウディをねじ伏せると、そのままラーソン、ソルベルグ、オリバー・エリクソン(フォード・フィエスタRXスーパーカー/Olsbergs MSE)らを従えて、WorldRX連覇の実力を示す約20カ月ぶりのラリークロス復帰勝利を手にした。
「こうしてカムバックできて本当にうれいしよ。勝利の匂いが漂ってきたとき、僕は純粋に自分のペースの極限まで攻めていると感じられた。こんな”スーパー・コンペティティブ”な状況ですべてを分析し、後方にギャップを感じながら雨の中であらゆるラインを試してみるのは最高に楽しかった」と、喜びを語ったクリストファーソン。
「決勝でのスタートも良かったね。今日は悪天候で3回のスタート全部が決まった。実際、ポロはウエットでのラウンチが簡単で、クラッチとスロットルでのコントロールが容易なんだ。そこからは後ろのマシンにスプレーをして何も見えないようにし1周目はプッシュ、その後は安全マージンを見てラップを重ねたよ」
一方、注目を集めた招待クラスのレジェンド部門は、ニクラスの父マーカス・グロンホルムがWRC現役時代から何ら衰えを感じさせないシャープなドライビングを披露。ペターの兄で、オリバーの叔父でもあるWRC時代の仲間ヘニング・ソルベルグや、Olsbergs MSE代表のアンドレアス・エリクソンを従えて完勝を飾っている。
また、自身が開発にも関与するクロスカー/クロスカート専用バギーの『LifeLive Nordic TN5』をドライブしたティエリー・ヌービルと、現WorldRX王者ティミー・ハンセンは両ラウンドともにファイナル進出を逃す結果となっている。



